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2012年1月28日 (土)

千葉で喰うこととか 2012② うなぎ 橋本屋を再訪することができたということ

まあ目新しい話ではないです。というか、大事な話なんですけどね。去年の今頃のブログ、千葉で喰うこととか、にこんなことを書きました。うなぎの橋本屋、旨い安い嬉しい、また行くぞってなことです。

でね。コメント欄を見ていただくともっとわかる。あの3.11でね。橋本屋も甚大な被害を受けました。嗚呼、と深い深い息をつきました。今更私ごときがあらためて言うようなことではありませんが、2万人という人々が亡くなり、あるいは消息を絶った。その重さに押しつぶされるような、息苦しい日々でありました。いや、もう息苦しさがなくなったと言うわけではない。ただ、その息苦しさを日常の中に受け入れていかざるを得なかった。生きていく私たちにとっては、そうするしか生きていく術がなかった。

そして、今回。橋本屋さんはもうないんだなあ、と悲しみを思い出しつつ、ネットを検索していますと、「橋本屋さん、再開していますよ」との情報を見つけました。おお。行かねばなりません。何があっても行かねばなりません。復興に協力するとか、そんな大それた話ではないです。みんな、がんばってんだなあ。それぞれが辛かったり苦しかったり、世界は不条理に満ちていて、突然の悲しみは押し寄せてくるのだけれども、それでも、みんながんばってんだなあ。

20111230_110417_p103041920111230_110452_p1030422というわけで。橋本屋さん再訪です。入り口が変わっております。以前は道路側が入り口になっていましたが、今は川側(道路に対して横)が入り口です。店の中もすっかり様変わり。そりゃあそうでしょう。流されて作り直したんでしょう。昔のほうが味があった、とかね、そんなこたあどうでもいい。ねえ。一生懸命うなぎ焼いてくれているんだもの。

店内には、うなぎ価格の上昇により値上げせざるを得なくなった、との表示があります。いやいや、十分安いです。安くて旨いままです。

20111230_112834_p103043020111230_112029_p1030423ただし、特上、上、並と三段階あったうちの特上はメニュー落ちしていました。まあこの三段階は、うなぎの質ではなく、うなぎの量であるに過ぎません。で。正直、特上におけるうなぎの量は飯に対してバランスを欠くと言っていいくらいの量でしたから、余程のことがない限り、上で十分であります。私は、橋本屋さんの選択を支持します。

ああ、それにしても、1年ぶりの橋本屋さん、コンクリート敷きの床は冷たく、足元から冷気が伝わってくるようでありましたが、それであっても、うなぎの重はあくまでも温かく、うなぎは香ばしく、また柔らかく、ほっこりほっこりとしておりまして、ああ、良かった。橋本屋さんにまた来ることができてよかった。

東北の皆さんも、本当に本当に、大変な日々がまだまだ続いておられるのでしょう。悲しみの記憶は遠ざかっても、失われた痛みが消えることはないのでしょう。それでもです。それでもです。皆さんが生きていてくれること、私の大好きだった東北の杜と人を守っていてくださること、日本という国に一生懸命に生きてくださること、そのことで、私もまた生きていこうという勇気をいただいているのです。厳しい冬ですが、どうぞお体に気をつけて。どうぞお健やかに。東北も、橋本屋さんもまたお訪ねさせていただきます。

その時まで、どうぞお元気で。私も生きていきます。

2012年1月21日 (土)

割れないワイングラス トライタン シャンパーニュ

20120101_163208_p1030452冬場のキャンプでいいこと。不快害虫がいない。これ大きい。いやね、もうさ、害虫ってかいろんな虫くんたちが住んでるゾーンにわざわざ出かけるわけだから、虫がいるのは仕方ないですよ。つか虫がいやならキャンプ来んなよ、とか思うような反応をされているお洒落な若い方がいらっしゃったりもしますが、いやいや、だからといって私が蚊だの虻だの蚋だの百足だの雀蜂だのが好きなわけであるはずもない。もうこれでもかってくらいの対策をしていきますよ。まあ結論的に言うと、蚊取り線香最強、とかって話ですけどね。まあそれは置いといて。

冬は不快害虫がいない。これはありがたいなあ。正直。で。次にいいこと。クーラー、つうかアイスボックス的なものが必要ない。

ちょいとスケールの大きな話をしますよ。無駄話ですけどね。無駄話だって言ってる以上、無駄なことがいやだなって方は、ずんと読み飛ばして、下10行目辺りから読んで頂けると、今日の話の本旨が全て見えます。

あのですね。以前、博物館で縄文人の暮らしみたいなことを説明してもらったときの聞きかじりなんですがね、暖かい地域と寒い地域、どちらがより暮らしやすいか、って言われたんですよ。当然暖かいほうがいいでしょ、と思ったら、大間違い、だそうです。暖かいと食料の保存に困る。雪が降っても凍っても食料は保存できるけど、暖かい地域は保存が利かないので、日々食料を集めなきゃならない。毎日が食料の確保に追われる。それだけで1日が過ぎてしまう。とても物事を考えている暇などない。

だから、文明ってのは寒冷地で発生することのほうが多いんですよ、ってなことでした。うん。いや、インダス文明が寒冷地かどうかは知らん、というかむしろ暑いだろうとは思います。ローマはどうなんだ、エジプトはどうなんだ、とか思いますけどね。しかし、ヨーロッパなんてねえ。確かに寒い。いや、行ったことないけど。なんかそう考えてると、ほんとに寒いところのほうが文明が成り立ちやすいのかなあ。そこらへんは所詮は半可通の豆知識ですよ。後は専門家の方に任せた。

つまりです。暑いときは食料の保存が大変。ね。常にクーラーボックスに氷を補充せねばなりません。いくら真空六面クーラーボックスとてもね、夏場の日差しにあたる場所におくなんて論外、日陰においても1日に氷一袋くらいは補充していかんと、とてももたない。まして、冷たいビールなんてのは、夏場に確保するのがどれだけ難しいか。その点、冬場になら冷えたビールは、テントの外に転がしておくだけでいい。キンキンに冷えたビールが簡単に飲めます。

20120101_163550_p1030454で。ですね。ビールもいいけど、ワインもいいねえ。スパークリングなんてねえ、もう刺身以外ならなんにでも合うね。とか言っちゃうよ。うん。刺身はねえ、冷酒がいいな。生牡蠣にはシャブリが合う、なんてことをおっしゃる方もいらっしゃいますが、正直あまり合うとは感じないんだなあ。生牡蠣なら冷酒のほうが旨い。熱燗ぬる燗ってのも、旨みがよくわからない。こうね、飲む前に口元に運んですぅっと吸い込もうとした瞬間に、アルコールの匂いが飛んでくる。これが苦手なんですよ。呑むなら冷酒。まあこれは好き好きですんで、どっちでもいいです。

とにかく、酒類は概ね冷えたものの方が好みのようです。それが例え氷点近い真冬のキャンプ場であってもです。

ただ、器はね。これが問題。ビールにしてもワインにしても、冷酒にしても、酒を飲む雰囲気ってのがありますよね。単純に酒を摂取したいという欲求だけで飲んでいるとしたら、それはアルコール依存症ですよ。酒を味わい、肴を楽しみ、酒を飲むという雰囲気を味わう。これが楽しい。というわけで、欠かせないのが器です。グラスです。ということで、以前はコールマンのこんなものを使ってると申し上げました。ただ、こちらは廃番商品であります。後継品には脚がない、普通の透明なコップです。それではね、ビールはともかくワイン、ましてやスパークリングワインを飲むという雰囲気がない。

しかし、だからといって、シャンパングラスをキャンプに持って行けるか。ねえ。

そりゃ可能か不可能かでいうと、可能でしょうよ。我が家のおとっときのバカラのシャンパングラスだって、普段使いのリーデルのシャンパングラスだって、宅配で届いたものですからね。運搬は可能です。でもねえ、現実的ではないですよな。焚き火の横に置いた焚き火テーブル、少し足元がグラグラします。ましてや厳寒の屋外、着膨れて、分厚い手袋をはめた状態で、そんなもんを扱おうとしたら、まず確実に割ります。絶対に割らないぞ、と気張れば、それはそれで可能でしょうが、そんなん楽しくないでしょう、ってことですな。

20111204_093041_p1030367そこでこちら。トライタン樹脂製のワイングラスとシャンパングラスです。樹脂製ですので、当然倒したぐらいでは割れません。1m程度の高さから床に落としたくらいではびくともしません。当たり前っちゃ当たり前。樹脂製ですもん。

見ての通り、姿も悪くない。それなりの雰囲気を持ってます。キャンプにお一ついかがでしょうか。

と。まあお勧めしてもいいですよ、と。ちょっと含みのある言い方でね。いやもう、それは私が悪いんだけどもさ。気持ちの切り替えができてない、私が悪いんですけどもさ。ってことを含んで聞いていただきたい。とそういう話をいたしますよと。

まずね。樹脂製なんで、ある程度の厚みがあります。これはもう成型上仕方のないことです。ただ、これを手に持ったとき、比較対照すべきものは、コールマンの樹脂グラスであるべきなんですが、なまじこいつは姿がいい。となると、無意識のうちにリーデルのシャンパングラスと比較しているんですね。口に当てたときの器の厚みに、とても違和感を感じてしまいます。いや、あくまでも比較の問題ですよ。初めて使うシャンパングラスがこれなら、別に何の問題にもならないことです。

20111204_095940_p1030372次にね。樹脂製で少しばかり厚みがある。この樹脂の部分、かなり屈折率が高いです。手に持って、グラスの向こうを見たときに、思い切り歪みが見えます。分厚いアクリルガラスを使った水族館の水槽を横から眺める感じの気持ち悪さ、と言ってもいいです。ただし、飲み物が入るとどのみち屈折率が変わるので、あまり気にならなくはなります。まあ、じゃあしょうがないじゃん。はい、そういうことです。

更に、この樹脂は微妙に青みがかって見えます。透明なクリスタルガラスのイメージで見ると、安っぽさは否めません。

加えて、シャンパングラスのほうは特に、脚の部分よりカップの部分のほうが重みがあるので、グラスとしてのバランスがあまりよくありません。これはね、気をつけて持ったり置いたりすることで、ことさら倒れやすいとか気にしなければならないほどの使い勝手の悪さをもたらすわけではありません。ただし。ただしですね。これにスパークリングワインをたっぷり入れる。そうするとカップ部の重さは相当なものになります。支える脚の細さに比して、ということですがね。

20111204_093149_p1030370と、どうなるか。グラスの脚の部分、なんつうんですかね。高台、じゃねえなあ。とにかく一番下の部分を持ってグラスを動かすと、カップ部分がぐらんぐらんと揺れるのがわかります。だって脚は柔軟性を持つ樹脂製ですもん。上に重量物があれば、そりゃたわむわな。と、いうことです。

結局ね、このグラスの良しも悪しも、樹脂製というところに尽きるんですよ。ここらへんの欠点が許せなければ、割ること覚悟でガラスのシャンパングラスを持っていくほかないですし、現実的にはそれはできない。で、あればそれは許さざるを得ない。

キャンプでちょっといい雰囲気を楽しみたい、その一つの小道具としてはありだと思います。しかしですね。もしね。まあないとは思いますが、自宅での使用に割れにくいグラスがほしい、というだけのことであるのでしたら、割れやすくとも、ちゃんとしたグラスを使ったほうが、ずっと旨いワインが飲めます、と言っておきます。やっぱり適材適所、ここに落ち着きますわね。

2012年1月13日 (金)

千葉で喰うこととか 2012① 勝浦市勝浦 御食事処いしい

20111229_152712_p1030405新年をキャンプ場で迎えるのは3年目、加えて12月31日まで連泊していた年があるので、このキャンプ場に来るのは、4年目です。G.W.の那須のキャンプ場、年末の千葉、ここはもうど定番となっております。新しい土地にも行ってみたいんですがねえ、実際のところキャンプ場にも当たり外れがありますんでねえ。いつも言うことですが、のんびりするためだけに行ってるウチの場合の第一条件は広いサイト、隣接サイトとのプライベート感、木々に囲まれていること、大騒ぎするグループがいないこと。です。加えて、一般道路からキャンプ場へのアクセス道路が、常識的な範囲であること。たまにあるんですよねえ。数km、延々とすれ違うこともできないような細い山道が続くようなところにあるキャンプ場。対向車が来たら、どんだけこの細い道をバックするんだよって思うところが。

なもんですから、お気に入りのキャンプ場はこれ以上混雑しないように、名前は挙げません。すまんです。ナンバー2的なキャンプ場は紹介するんですけどね。まあ、でも写真を見れば見る人はわかる、そういうもんですが。個人的に訪れたいキャンプ場ナンバー1的存在として唯一挙げたのが、福島のこびっと、という小さなキャンプ場でしたが、原発事故のため事実上の閉鎖となりました。哀しいなあ。キャンプ場管理人のご夫婦、ぜひまたあそこのような素敵なキャンプ場を作ってください。ぜひ伺いますんで。

というわけで、冬場は千葉。千葉はいいですねえ。いや、山歩き屋さんとしてはフラットすぎて、まあ物足りないですけどね、オートキャンプに行くなら千葉はいい。ちょいと海のほうに行くと上手い魚がいくらでもある。和歌山の田舎の子なんでね、海があるのはいいんですけど、山がないのが物足りんのです。リタイヤしたら、やっぱり伊豆のほうがいいかなあ、いやいや伊豆は道路が混みすぎるだろう、などと頭の悪い夢を描いております。たぶん一生を埼玉で終えます。

でね。那須のキャンプ場も大好きなんですが、那須ってねえ。海の食い物がない。というより、山の中って、どうしても食い物の選択肢は限られますよね。人も少ないんだから、山菜と岩魚とうどんくらいしかない。いや、それも美味いんですけど、毎食それってわけにはいかない。那須の場合だと、牛乳とかハムとかの牧場系ね。でも、これって、近年の優れた流通のおかげで手に入っちゃいますからね、埼玉にいても。そこでしか喰えないものの有り難さって、絶対的にあります。

そういう意味では、昨今のインターネットの発達で、全国どこにでも発送しますって商売は、少なくとも地域の名産品ってポジションのものは、止めたほうがいいと思いますよ。当座は売り上げ爆発するかもしれませんが、その需要に対応するために人を雇い工場を建てて大量生産。ブームが終わると、残るのは借金だけ。とかいうことになりかねませんよね。敢えて足を運んで買う、足を運んで喰う、だからこそ地域の活性化っちゅうもんがあるわけですよ、と語ってしまいます。説教臭いですな。

20111229_102822_p1030394で。地域で食う。ですな。今回はキャンプ場まで大きく遠回りして、勝浦に立ち寄りました。那智勝浦ではないです。千葉の勝浦です。勝浦といえば、今やB級グルメとして名を馳せた勝浦タンタン麺。これこそご当地B級グルメです。

B級グルメと言えば、地域活性化のための大きな鍵です。B-1グランプリとか大盛況ですな。まあ、あれはあれで話題提供としては良いと思いますよ。知名度を上げて、地域に人を呼び込む。作戦としてはアリです。私は行きませんけどね。現地のものは現地で食う。そのほうが楽しいじゃないですか。B級グルメなんて、そこらへんにある材料で、地元のおばちゃんがちゃちゃっと作れてしまうもんなんですから、東京でやってれば、ただの路地裏の中華料理屋のオリジナルメニューと変わらないですよ。ねえ。

ああ。だからね。ご当地B級グルメってのは、2種類ある。もともとその地域で食われてきた伝統食を掘り起こすタイプ、甲府のもつ煮なんてのはその典型ですな。これは、その地域の伝統性に触れることができるって意味で、行って喰う価値があります。もう一つは地域活性のための企画として生まれたオリジナル創生型です。アイデア料理と言うか。これはねえ。個人的には無駄だなあと思います。がんばりはわかるんですけど、言っちゃあ悪いが、地域商工会の若旦那衆がアイデア振り絞って作り出したんでしょうが、ね。地域と結びついていないものを結びつける、そりゃあね、無理があるってもんです。一時的イベントで終わるのも目に見えているじゃないですか。どこぞの有名イタリアンのシェフを呼んで、地域食材を使ったレシピを作ってってのはね。無理です。有名イタリアンのシェフがそこで作ってんなら喰う気もしますがね。

ああ、また説教臭い。年寄りだからねえ。勘弁しておくんなさいましな。

で、勝浦タンタン麺。日本におけるタンタン麺っつう時点で、これはもう日本オリジナル、四川料理における坦々麺とは違います。ゴマペースト、辛味、ひき肉の汁そば、四川料理ではないですな。しかし、日本でラーメンという文化が作られて以来、様々に工夫された「中華料理」の一つの形としてなったものがそこにあります。んが。勝浦タンタン麺。明らかにそこからも外れています。

20111229_102123_p1030391しかも、もともとは一つの店のオリジナルメニューとして作られた「勝浦」タンタン麺。自然発生的に広がっていき、勝浦の中での地域性を獲得しました。ラー油を使うこと、玉ねぎを使うこと、くらいがその共通項でありましょうか。それ以外は、店ごとに工夫を重ねており、統一された味というものがあるわけではない、ということらしいです。当たり前っちゃ当たり前です。統一されたら、チェーン店です。それじゃあダメでしょ。新潟たれカツだってそうですもんな。広島お好み焼きだって店ごとに味が違う。しかし、地域としての伝統を持った味となっている。そこが素晴らしい。

で。こちら「御食事処いしい」の勝浦タンタン麺、特徴としては、店が狭い。古い。昔からおばちゃんとおじちゃんがやってる近所の飯屋。有名人のサインが飾ってある。店の前に猫がいる。えーっと。あ。スライスされた玉ねぎがトッピングされている。見た目ほど辛いわけではないので、お好みで自家製ラー油で辛味を調整できる。で、スープ自体はあっさりとしており、ものの本によるとさば節主体らしいですが、そんなこたあよくわかりません、でも美味いです。

20111229_102811_p1030393チャーシュータンタン麺を頼まない限り、上にはチャーシューは載りません。そこはタンタン麺のお作法、ひき肉を守っております。しかし、このチャーシューもなかなかに美味いので、胃に余裕があるなら、乗せたほうが満足度が上がります。

年寄りの腹は、じゃあ二軒目行くかってなことには耐えられないんで、都合3時間ほど遠回りまでして「いしい」の勝浦タンタン麺食って、そんで終わりです。他にも有名店があるらしいんですけどねえ。港のそばで、秋刀魚のみりん干しと、さばとイカの一夜干しと、マグロの角煮を買って、勝浦終了です。しかしね。この魚、キャンプ場での食に、えらいこと貢献してくれるんですよ。千葉はいいなあ。山、ないけどね。

2012年1月 9日 (月)

仔猫のためにキャットタワーを買った ADD.MATE 猫のおあそびポール お魚ファミリー ハイタイプ  

20120108_092232_p1030566仔猫がうちにやってきました。悪魔であります。いやいや、二重の意味で。第一に、猫が何をしでかすかわからないという意味で、第二に猫が何をしても許される、という意味で。保護主さんよりいただいてきて、僅か半日で王様のように家中を支配しております。貴様なあ、可愛いってだけでなんでも許されると思ったらなあ、まあその通りなんだけどなあ。というような状況であります。

成猫はいい。ダダにしても、タクにしても穏やかでねえ、のってりのってり歩いてきて、ごろんと横になる。タクの場合はぴょんぴょんと跳ねながらやってきて、ちょこっと触らせて、またぴょんぴょんと跳ねるように歩いて自分の寝床に行く。眼をうっすら開けて、小さな声でみぃと鳴く。とはいえ、成猫の時期はこれからいくらでもありますが、仔猫の時期は一瞬ですからな。まあ、しばしお付き合いさせていただきましょう。

さて。ところがですね。まだ仔猫の性格がわからんので、表情が読み切れないわけです。無表情、としか捉えられないことがあるんですな。これが怖い。無表情、つまり何をするかの予想が付かない。猫ってやつは野生のスイッチがありますからな。まあ人間でもありますが、パニックってやつです。こいつが入ると、相手が飼い猫といえども判断力をなくし、野生と化します。獣全開になりますんで、そういうときはそっとしておいてやります。

でね。仔猫。「そら」という名前をつけました。ヤギの名前ではありません。ちなみに、このフレーズがわかるのは、西武線沿線、特に飯能を過ぎて秩父に至るあたりにお住まいの方だけですんで、それ以外の方は全く気にしないで読み飛ばしてください。とにかく「そら」という名前です。

仔猫はふわふわです。全身がバネのように弾みます。どわーっと走り出して、ぽーんと跳んで、布団の中にもぐってきて、一緒に寝て、もりもり食べます。で、もりもり出します。まあ、出したモノのことはさておいて。

いやいや、出したモノの話、大事ですよな。今回、システムトイレという新しいトイレを買ったのですが、これにソラが慣れてくれるか、ドキドキですよ。実は以前、ダダとタクのために買ってやったことがあるのですが、年寄り猫は新しいトイレを嫌がって、一度もしてくれないので、捨ててしまった哀しい過去があります。

ソラが来てから、初トイレまで7時間。ソラも耐えていたようでありますが、こちらもじっと見守って我慢。トイレが済むまで安心できんです。システムトイレのことやら、猫砂のことやらをお知りになりたい方は、検索かけてみてください。ここよりよほど役に立つサイトがたくさんあります。へへ。

20120109_194108_p1030597でね。だーっと走るソラのために、キャットタワーを買いました。キャットタワーを買うのは初めてであります。以前の猫、ダダとタク、なんだかいつの間にか大きくなって、タワーを買うような時機を失してしまいました。タワーが無くとも、階段状に家具の配置を工夫して高低差をつけたのでいいかなあ、と。

ただ、ソラの場合はチビ猫が来るってわかってから時間があったので、あれも用意しよう、これも用意しようとね、まあ言わば初孫が生まれる前の爺婆のような気分ですよ。あれも買ってやれ、これも買ってやれ、ですわね。

キャットタワーは窓際に置くことにしました。ここなら、猫ひなたぼっこ用に使っていたワイヤーシェルフやら階段状になったタンスやらに跳び移ることができます。ただ、この窓の部分、中途半端に低いんですな。高さが190cmしかない。ソラが巨大猫化しても使えるようにと、一度は突っ張り式のタワーを検討したんですけど、このサイズは中途半端で、あまりないんです。

あちこちのホームセンターで実物をいろいろと見てたら、据え置き式でもそれなりに土台が大きいモノは、それなりに安定してます。まあ、こんな感じでいいかなあ、とね。でも実店舗で選ぶのは、いや見せていただいた以上できるだけ実店舗で買いますが、つうか買わせていただきたいですが、しかし実店舗では猫タワーの選択肢が少ない。ほぼないのです。まあね。しょうがない。楽天です。

20120107_200053_p1030536というわけで、届いた猫タワー お魚ファミリーハイタイプです。こういうのは、概ね中国で作られていると考えて間違いないですな。中国だからいかん、というわけではないですが、残念ながら安全性とか完成度とかにおいて、十分な品質管理が行われていない製品があるのも事実です。

中国製猫タワーのよく聞く問題点として、接着剤やら素材やらの匂いがキツイという話、ホルムアルデヒド出まくりなんだろう、という話。とりあえずこちら、匂いはあまり感じません。個人的に鈍いということは否定しませんが、奥さんも気にならないといってたので、とりあえずは大丈夫なんでしょう。

組み立てやすさと、それに関わる精度ですが、こちらもそれほど問題にはなりません。敢えて言えば麻のロープを巻いたポールを立てようとするとき、手のひらにトゲトゲが刺さりそうになる、という問題はありますが、これはまあ、製品の問題ではなく麻の紐の問題ですしねえ。まあ日本製品ならもう少し手にも優しい縄を使うでしょうがね。でも、猫が気にしないならいいです。

20120107_200217_p1030543がっちりとネジを回しきれば、とりあえず2kg少々の家の仔猫が全力で駆け上がっても大丈夫です。こいつが7kgに育ったとき、全力で駆け上がったら、ああ、そりゃあダメだわ。つうか、もうそうなったら天井に固定するタイプでないと耐えられるはずもない。とりあえず仔猫のうちに使い方を覚えてくれよ、と期待しておきます。猫にね。

で。こちらの製品名ですが、お魚ファミリー、というのは踏み台が魚の形をしているところから来ていると思います。が。この点においては、猫は全く気にしてないですし、喜んでもいない。完全に、人間の考えすぎです。家の場合はツートンのシックな色合いと高さと、適当であろうという段差について、気に入って購入を決めましたが、魚の形の踏み台かどうかは、私にとってもどうでもいい、というか、商品の写真を見ても魚なのかどうなのか、よくわからんので意味がないこだわりのような気がします。まあ、いい。

耐久性は、よくわからんなあ。これ、製品としてはとことん強いとかいうもんではない、ような気がします。支柱の麻の部分はともかく、踏み台や柱の絨毯まきの部分、ここはそうとう柔な素材感です。でもねえ、いくら頑丈でも気合いの入った猫が、気合いを入れて使えば、ダメになります。ガジガジ囓るのが好きな猫なら、その囓る部分は確実にダメになります。そういう意味では、耐久性より、むしろパーツが交換可能であるかどうか、そっちのほうが大事だろう、とね。思うわけですね。

20120109_211440_p1030610とりあえずまだこちらの製品、そこまでは使い込んでおりませんが、ネットで調べた限りにおいて、少なくとも交換用支柱は売っております。そういう意味では、まあ少しいいんじゃないかなあとか思っているんですが、踏み台の部分が消耗したら、それはまあどうしようもないんだろうなあ、とも思うわけです。

仔猫来て、大忙しです。ブログの文章作るのも、猫が油断してる隙を狙って、速攻です。文章校正とか、ますますいい加減です。すまんです。

ダダとタク、ねえ。おまえたちがいなくなって、お父さんは相変わらず寂しくて苦しくてしょうがないけど、でもねえ、ソラってチビ猫がウチに来たんだよ。ソラはソラで、おまえたちの代わりにはならないけれども、大忙しでお父さんとお母さんはチビ猫の世話をしていて、ダダとタクがねえ、写真の中で目を細めているのを見て、お父さんはねえ。ああ、一緒にいるんだなあって思っているんだよ。

まあ、そんな話です。

2012年1月 6日 (金)

今更ながらのど定番 コールマンランタン 2500ノーススターLPガスランタン

20110918_075748_p1030106今回は、真っ当にキャンプ道具の話であります。

しかしですね、この頃キャンプに行って気づいたことがあります。同年代の人々って、だんだんと少なくなりつつあります。思うにですね。うちのように夫婦二人でキャンプに行くというパターンは、少数派なのではないか、ということです。

キャンプといえばアウトドアの娯楽、王道であります。アウトドア、つまりは体を使って楽しむこと、でありますな。となると。その主体は体を使うこと自体が楽しい世代、つまりは子供たちなんですが、子供たち自身は自分でアウトドアに出られる環境にあるわけではありません。いやいや、田舎の子もねえ、最近は外で遊ばないらしいですよ。たまの帰省に、私が子供の頃、文字通り朝から晩まで泳いだり遊んだりしていた川の瀬にも、人影をみなくなりましたもの。

まあねえ、バカボンのパパ風に言うと、川遊びは危険が危ないのだ。ということであります。

それはともかく。キャンプもですね。子供たちに楽しい思い出を作ってやろうと、加えて、ふだんは家庭生活の中での存在感の薄いパパ、がんばっちゃうぞー、みたいな。素敵な時間であるわけですね。子供たちがママと魚とりをしたり、パパと焚き火をしたり、ね。パパ20代後半から30代前半の頃です。

ところがですねえ。子供たちも小学校中学年をすぎる頃になると、私立受験のための塾通いですとか、サッカークラブの合宿だかで、忙しくなってくる。まして中学生のお姉ちゃんなんか、マジウザイんですけど、なんつうことを言ったり言わなかったり。パパと同じテントで寝るなんて信じられない。セクハラ?みたいなことを言ったり言わなかったり。いやまあねえ。本心ではないんでしょうけど、本音ではある。

じゃあ、ママと二人で行っちゃおうか、なんてことを言い出したら、今度はママが怒り出す。なんで子供たちを置いて二人でキャンプに行くのよ、何が楽しいのよってね。あーああ。そうなったらもうパパ、リビングでごろごろするしかないじゃないですか。なんだかねえ。

あ、あのね。そういうときには、パパ自転車に乗るといいですよ。自転車はいい。一人で、自分の中で、少しずつ自分の限界を高める苦痛と快感に浸れます。中学生か高校生だった頃の自分に戻れるような気がします。ただ。気をつけないと、時々鎖骨を折って2週間以上入院した挙句、後遺障害が残ったりすることもありますんで、重々お気をつけください。

でだ。キャンプ道具の話ね。うん。夫婦二人でキャンプに行く。これはもう我が家にとっては当たり前のことなんで、というか休日に夫婦二人で楽しく過ごす、これなくしては生きていく甲斐がない。夫婦二人といえども家族でありますからな。家族連れでキャンプに行ってる若いご家族の皆様、特にご夫婦の皆様に申し上げますが、そりゃ子供は大切です。でもね、パートナーを大切にしなきゃならんですよ。ほんと。自分で選んだ人生、パートナーじゃないですか。うん。なんか結婚披露宴の挨拶みたいになってきたんで、止めます。

でだ。キャンプ道具の話ね。うん。ということで、今更ながら、。白熱灯200W相当。今まで使ってきたのはEPIのこちら。ハイブライトランタンオート、白熱灯230W相当。これねえ。いいんです。明るい。修理もしてくれますしね。修理も丁寧にしてくれたんですけど、その後もイグナイター(着火装置)の調子は、あまり良くない。着火前のホヤの中にガスを相当に溜めないと、着火しない。あまりにもガスが溜まりすぎて、着火というより爆発と言う勢いで点火します。なんつうんですかねえ。度胸試し的なところがありまして、おいおいこんなにガス出して、着火するのかよ、おいおい爆発するんじゃねえの、点かねえよ、おいおい、勘弁してくれよ、おいおい。的な。それはもう怖い怖い。最近は、イグナイターでの根性試しは止めて、ガスを出しつつライターで着火、というイグナイターの存在自体を否定する使い方をしておりました。

もうひとつ。EPIの問題としては、こちら、もはや製造中止の品であります。優れた企業姿勢を持つEPIさんは、製造中止からもう5年以上は経っていると思うんですが、継続してマントルの提供を続けてくれております。ありがたいなあ。しかし。だからといって、どこのホームセンター、キャンプ場の売店で手に入るというものでもない。万が一、焼けたマントルが壊れたとき、補充のマントルを持っていないと、手に入れる方法がなかったりします。これは怖い。

私は心配性なんです。幸いにして、というか用心深いんで今まで一度もマントルを切らしたことはないですが。でも、やはり不安です。

そこでです。一度、ガスの入手性も含めて改善できないかと、こんなもんを買ったことがありましたな。正直、あれはダメでした。何が200Wかい、ってなもんでね。もういい、一生EPIハイブライトランタンオートを使い続けてやるぞ、とか思ったんです。でも。やっぱり不安になってきた。この先、EPIのが壊れたらどうしよう、いくらEPI、というか輸入販売元のユニバーサルトレーディングがいい会社でも、10年先までは保証できんぞ、とかね。ここはねえ、もうね。最大手行っちゃうか。コールマン、行っちゃおうかなあ、っと。そゆことです。

コールマンを選ぶとき、まず選択肢として燃料から2系統、ガス(OD缶)を選ぶか、ガソリンを選ぶかという問題がありますが、私の場合はガソリン臭くなるのがいやでツーバーナーも含めて一度も選んだことがないので、ガソリン系は除外します。で、EPIハイブライトランタンオートとの入れ替えを目論んでいるので、明るさ的には200Wクラスと表示しているもの、となると、2500ノーススターLPガスランタンか2600ピナクルLPガスランタン240W相当。

ピナクルのほうがいいじゃん。うん。明るさだけで言うとね。ただね。でかいよ。重いよ。これ据え置きが前提でしょ、ぶら下げる使い方するには、重すぎるでしょ。ってことですよね。200W相当というと例のアレのことがあるので、ちょいと不安ではありましたが、その不安以上にピナクルは大きすぎました。

20111229_163741_p1030411で。こちら。夜景だと灯りしか見えないので、夕闇どきの写真です。明るさ自体は、230W相当を謳うEPIハイブライトランタンオートと、それほど変わりはありません。EPIもフルで使うと、ガスの燃焼音が相当にうるさく、眩しいので、少しガスを絞って使うことが多くなります。結果的に体感的な明るさの違いはない、と言ってもいいくらいです。

イグナイタ(着火装置)ですが、こちらはまあ問題はありません。当然ですが。しかし、やっぱりホヤの中に少しガスが溜まって、ボンっていって点火します。やっぱりちょっとビビります。しょうがないですけどね。

光量の調節は、EPIのほうがやりやすいですな。EPIのガス調整ノブが無段階にスムーズに回るのに対して、コールマンのノブはクリック感があります。1クリックで一気にガス量が搾られることがあり、極小の灯りを点す、というような使い方はし辛いです。まあ、明るいライトがほしいからこれを買うんであって、そういう意味では、全開で使えばいいじゃん、って話ですけどね。

明るさは、ほぼ変わりませんが、色味はかなり違います。EPIのが白光色というか明るい金色に輝きますが、コールマンはそれより少しオレンジがかった色が出ます。好みというほどの差にもならない程度の違いではあります。

20120101_163149_p1030448ただし、若干ですが光量落ちるにも関わらず、ガスの消費量はコールマンのほうが多いです。これはコールマンのガス缶を使っても、EPIのガス缶を使っても同じでしたんで、ガス缶による違いではないと思います。ちなみに、多少ごにょごにょする話ですが、EPIのガス缶もコールマンのガス缶もプリムスのガス缶もキャプテンスタッグのガス缶も、同じ形です。これはガス缶を製造する会社が同じだからでありましょうな。内容成分的には違いがあるのかもしれませんが、例えば冬季用ですと、イソブタンが主成分。これは変わりません。まあ、万が一ですね。EPIのランタンを使っているときに、ガスがなくなった。キャンプ場にはコールマンのガス缶しか置いてない。そういう場合は、代用が利きます。とはいえ。ガスのことですんでね。純正缶を使うべきです。いや、全くそうです。ただEPIのガス缶よりコールマンのほうが200円くらい、高いんだよなあ。なんだかなあ。と思ったりしてはいけません。

ああ。忘れてた。着火前の作業として、マントルを焼くという工程がありますよな。その前段階で、マントルをランタンに装着します。この作業は圧倒的にコールマンのほうが楽です。装着時、EPIは袋状のマントルをランタンの中心棒にかぶせて、袋の根本を紐で縛る、という作業が必要です。これが意外と面倒くさい。紐を引っ張りすぎてぶちっと切ってしまったりすると、もうどうしようもありません。それに対して、コールマンは筒状のマントルの上下を金具で留める方式なので、ワンタッチです。

20111229_163751_p1030412でもまあ。装着後、マントルを焼く前にマントルの形をきれいに整えておかないと、焼成されたマントルが破れてしまったりするのは同じです。

結論から言うと、もしEPIのハイブライトランタンオートをお使いの方で、今後買い替えを考えている方がいれば、十分交代の検討対象になります。ということですね。

ただ、冒頭申し上げましたように、オートキャンプにおける10年選手ってのは、世代の絡みから考えると、あまりいないんではないか、EPIハイブライトランタンとの比較って、意味あるんスかね、とか思わないわけではないです。

2012年1月 3日 (火)

オルゴ 真空保温調理容器 どんぶりジャーKM-100 はチキンラーメンどんぶりとして最高である

日清製粉チキンラーメンは、絶対にCMみたいに出来上がらない。そう思ったことはありませんかね。

丼のふたを開けると湯気が立ち、真中に目玉焼きのようにキレイに白と黄色が分かれた卵が乗っている。ねえ、あの光景。見たことがない。大体は、端っこが少しだけ白くなった生卵がそのまま乗っているだけ。子供たちがどんだけがっかりしたか。あれはねえ、いかんでしょう。

冷静に考えるとですね。半熟ゆで卵を作るとします。沸騰したお湯に常温に戻した卵を入れて6分、まあ塩水を使うということで、若干沸騰温度は下がるでしょう。95℃くらいですか。95℃で沸騰させ続けているお湯に、6分間もいれてようやく半熟ですよ。ね。

では、チキンラーメンの場合はどうか。と考えるわけです。チキンラーメンを食おう、なんてときに、大概ですよ、そんな大仰なことをしたりはしません。面倒くさいからチキンラーメン、お湯を入れればいいだけだからチキンラーメン、そんなもんじゃないですか。いや、近年は違うかもしれません。多くの選択肢の中から敢えてチキンラーメンを選ぶということは、チキンラーメンが好き、そういうこともありでしょう。

しかしね。大昔。少なくとも、カップ麺が出る前の、貧乏学生の安アパート生活におけるチキンラーメンはそうでした。丼とお湯くらいしかない、鍋の蓋を載せるだけでできるチキンラーメン、そこにね。ちょっと贅沢して卵を乗せたい。冷えてきた夜、TVCMで見るような湯気の立つチキンラーメンを豪華に食べたい、とか思う、こともあったのですよ。

でね。台所とも言えないような狭い流し台のわきに置いた、一口ガスコンロでお湯を沸かす。電気ポット、という選択肢もありですわね。いまどきのティファールとかみたいなおしゃれなポットじゃなく、そこはナショナルで。銀色に鈍く輝くアルマイト、電熱線がコポコポとお湯を沸かす。

台所の食器棚代わりに置いたカラーボックスから、丼を取り出す。丼と言ったらこれしかない、というくらい、側がオレンジ、内側にぐるぐる巻き模様が描いてある、アレです。昔はどこの中華料理屋に行っても、あれでした。

でね。ワンドアの小さな冷蔵庫を開けて見ると、たぶんとっくに賞味期限切れの卵が一個残ってる。おおお。これならば、豪華に卵が乗ったチキンラーメンが食べられるではないか。なんと素晴らしい。なんという豊かな生活だろう。

そう思って、ふたを開けた瞬間のがっかり感と言えば。まあ、こんなもんだよなあ。いや、初めてじゃないし。これまでだってそうだったし、所詮、チキンラーメンに生卵を乗せただけのものだよなあ。しょうがないよなあ、と寂寥感とともに、少しぬるいスープをすすり、まだ芯の残るような麺をかみしめる。まあ、あれはあれで、たぶんありだったと思うのです。

そしてまた。私の側にいくつかの失敗があったのも確かです。電気ポットで沸かしたお湯が、冷蔵庫の中にあった冷たい生卵、冷え切ったどんぶりに注がれる。そりゃあ、あっという間に温度が下がる。ましてねえ。冷たい部屋の中で、どんどん丼の熱は奪われていく。とてもではありませんが、生卵が煮える温度ではない。冷静に考えると、TVCMの画像のように、卵が煮えた状態ができるものではないんです。言わば、あれは夢のチキンラーメン、チキンラーメンがこうであったらな、という一つの理想型であって、現実のものではない、ということです。あらら。

でね。後年、日清製粉さんもそのあたりは認めましてね、レシピとして、温めた丼を使うですとか、常温に戻した卵、とか載せるようになりました。がねえ。これとても、やはり3分程度で生卵がキレイにゆであがるような状態とは、とても言えない。あのTVCMは、どのようにすれば実現できるのか、いや実現可能であるものなのか。

こと、ここにいたっても日清製粉さんを責める気が毛頭起きないのは、不思議と言えば不思議です。本来であれば、過剰な期待を持たせる広告だ、とかね誇大広告だ、とかね言われても仕方のない、がっかり感です。しかし、そうはならない。こんなもんだよなあ、やっぱり、へへ。と諦めてさせてしまう力が、歴史がチキンラーメンにはあるんです。

しかしね。いやいや、そこで諦めてはいけない。問題となるのは、茹で時間もさることながら、注いだお湯の熱量をいかにして保存するか、ではないか、と思うのですね。もちろん生卵は常温に戻したりしない。せいぜい1時間ほども前に、あ、腹が減ったなあというタイミングで冷蔵庫から出しておく程度です。チキンラーメンは食いたいときに食うからチキンラーメンなのであって、数時間も前から準備したりするのは、本道ではない。そう信じます。

別鍋でポーチドエッグを作る、これもなし。鍋を汚すのはチキンラーメンの本道ではない。食べ終えたときに残る、汚れた道具は丼と箸だけであるべきです。

20120103_171530_p1030500では。丼をなんとかするしかないではありませんか。というわけで、こちら。真空二重層をもつ丼、オルゴ 真空保温調理容器 どんぶりジャーKM-100であります。側の外側は合成樹脂製ですが、内側がステンレス、真空二重になったどんぶりであります。蓋もシリコンで密着し、おそらくは蓋部分は真空ではないと思いますが、二重になっております。いわば、魔法瓶の丼バージョン。これならば、注いだお湯の温度低下も最小限に抑えられる。

とはいえ、ここまで来たら丼を前もって温める、卵を常温に戻す、くらいのことは、チキンラーメンの作法としてではなく、一つの実験として最良の状態で作ってみる、という点において、やっても構わないのではないか。いや、やるべきであろう。と、これまでの議論をムダにするような、しかしなおかつ、夢のチキンラーメンを作りたいという欲求には勝てないのであります。

20111210_125853_p1030375で、試してみました。沸騰するお湯を注ぎ、丼を温め、お湯を捨てる。チキンラーメンを入れた上に、生卵を割り入れ、沸騰したお湯を注ぎ待つこと3分。その完成型がこちらであります。見事に、見事に卵が半熟状になっております。これならば、あの夢のチキンラーメンができた、と言ってもいいのではありますまいか。

ところで、このどんぶりジャーKM-100。真空保温調理容器と名乗るように、実は33種類もの調理ができるという、調理器具でもある、そうです。そうです、というのは、保温調理器具として使う気が全くしないからであります。もちろん、保温調理というのは素晴らしい。ことはこちらで語りました。シャトルシェフ、未だにこれを越えるモノがないというくらいキャンプ最強鍋であります。しかしですね。どんぶりジャー、シャトルシェフと違って内鍋を外して加熱するという機能がない。それゆえに、加熱は最初に入れたお湯の温度だけであります。いくら沸騰したお湯を使うと言っても、お湯を注ぐ段階で95℃程度までは低下します。以降、真空保温調理容器といえども、徐々に温度は低下する一方。いや、もちろん、なかなかの保温性能ですよ。夜8時頃に沸騰するお湯を入れたどんぶりジャー、翌朝8時頃になっても65℃程度の状態を保持していました。しかし、保温はできても再加熱はできない。いかに温度を下げずに調理できるかが勝負どころ。どんぶりの予熱を前提として、ほぼ全ての調理のレシピが立てられております。そんだけ手間をかけても、いいとこおじやを作るのが精一杯。しかも一人分。あんまり使い勝手はよくないですな。

しかし、予熱はしましたがチキンラーメン最高。チキンラーメンを食うならこれしかない、というくらい、素晴らしい出来映えのどんぶりであります。

ちなみに、真冬のキャンプ場でこれを食器として使う場合、当然のことながらその卓越した保温性能によって、中に入れたモノは熱々のまま戴くことができます。こちらは先日の年越しキャンプの時に作った豆腐チゲ鍋であります。少々の時間、ビールを飲んでいてもどんぶりの中が冷えることはありませんでした。

20111230_174533_p1030433ただ、まあですね。どんぶりとして使うには、少々深すぎる。普通に軽く鍋の具と汁をよそう程度ですと、どんぶりの深さ半分程度にしかなりません。暗いキャンプサイト、これで喰おうとすると、中の食い物が全く見えない。しかも深いので取りづらい。しかもどんぶりが大きいので、女性の手には確実に余る。というわけで、奥さんにはほとんど使ってもらえませんでした。冬キャンプ用としては最高、と思ったんだけどなあ。しかも奥さん、チキンラーメンも食わないしなあ。というわけで、どんぶりジャーKM-100、意地でもチキンラーメンをこれで食いますが、奥さん用のどんぶりジャーが余ってしまいました。

そのうち、読者プレゼントにでもとかって思ってるのは、秘密です。いやほら、他にも旨いチキンラーメン喰いたい人がいるかもしれないし。いや、そのうちです。そのうち。50万アクセス記念プレゼントの時は、応募があまりにも少なくて、切なかったですもんなあ。やっぱりやめるか、などと考え中であります。

2011年12月25日 (日)

風邪を引きました

なんつうか、休みになると風邪を引く、そういうもんですな。緊張感がゆるむんでしょう。とはいえ年末休暇までは後数日は働かなきゃならんです。

なんとか治して、体調万全で冬キャンプに出かけたいもんです。すんません、年内もう一回くらい記事の更新をする予定でしたが、とてもじゃあないが、脳が働きません。年が明けましたらね、冬キャンプで使う予定のいくつかの新製品、記事を上げますんで。また来てくださいな。

本当に、本当に大変な一年でした。新しい年が、みなさんにとって良いお年になりますように。

2011年12月18日 (日)

飯を作るためについつい買ってしまったグローバル包丁フレキシブルナイフGS-11を眺めつつ思う

20111114_183725_p1030343まあな。飯でも食おうぜ。飯でも。

ってなわけでですな。とりあえず飯を作りましょう。しかしね。私なんぞが飯を作る話をするなんてのは片腹痛い。世の中の多くの家庭の奥様は日々食事を作っているわけですし、加えてプロの料理人という方も、いくらでもおられる。週に一度、奥さんと自分の食べる飯の献立を考えればいい、なんてな甘っちょろい趣味の話でございます。これから料理にでもチャレンジするか、ってなレベルの方のみに、少しはひょっとしたら貢献するかもしれない程度の話です。ですんで、こっから先も、そういうご同輩を対象にした話ですんで、世の奥様方やプロの料理人は、バカかこいつはと思ったとしても、まあなんだ、心にそっと秘めておいていただきたい。へへへ。

私が作るのは、概ねイタリア料理、スペイン料理、中華料理(もどき)がメインであります。なぜならば、持っている料理本がその類であるからです。身も蓋もない。しかし、そういう系の料理本が多いと言うことは、そういう料理が好きなんでしょうなあ。和食はあまり作らないのです。好きなんですけどね。なぜかっちゅうと、和食ってのは繊細すぎる。趣味で作ろうと思ったら、美しさも調理方法も手間がかかりすぎるんですよ。もちろん雑にすることもできますが、そうなるとつまりは定食だとか居酒屋メニューと同じようなものになる。これはこれで旨いんですが、やりたいのは自己満足なんで、キレイなメニューや驚きのあるメニューにしたい。わけです。で、和食でそれをやろうとすると、懐石みたいな至高の高みにあるようなメニューしか思い当たらず、とてもじゃないですが手を出すことができません。

20111008_184227_p1030153でね。イタリアンにしろ中華料理にしろ、概ね旨いものができあがります。まあ、新しい調味料やハーブなんぞに挑戦したときには、うっと思うこともありますがね。私なんか春菊だの茗荷だのの匂いのキツい野菜はてんでダメなんで、ハーブもヤバイです。コリアンダーとか。がね、これが料理屋さんで出されたなら、下手すりゃ残すようなもんでも、自分で作ると喰ってしまう。喰ってるうちに慣れてくるもんなんですな。野菜嫌いの幼稚園児が、自分で畑から採ってきたピーマンを、旨い旨いと言って喰う、そういう感じでしょう。単純なもんです。

だいたい料理本を見ながら作った料理が旨くできるのは当たり前、それを目的として料理本は作っております。まず作ってみたいと思わせる写真、手に入りやすい材料、手順通りに進めばできあがるレシピ、いかに旨く作らせるか、そここそが料理研究家の腕の見せ所でありましょう。北京鍋であおることができなくても、そこそこ美味しい炒飯が作れるようにしてやる、コツを伝える。そこですな。

ところが、それにも関わらず、世の中には料理下手の方がいらっしゃる。なぜかいつも失敗しちゃうの、という方ですね。まあ、原因はわからんですよ。だって料理本の通りに作れば、おいしくできちゃうんだから、なぜできないのか。ね。わからんですねえ。

しかし、敢えて原因を考えれば、いくつか考えつくものはあります。まず、ほんとの基本が分かってない。例えば、大さじ小さじの量が分かってない、とかね。白玉粉と上新粉の区別が付いてない、とかね。乱切りと千切りの違いを知らない、とかね。強火と中火の加減が分からない、とかですな。いわば適当にアレンジしちゃいけない部分で、こんなもんでしょってやっている。水から生魚を煮始めるようなことですよ。ね。

これはもう土井先生の料理の基本の本から勉強するしかないですな。NHKの初心者向け料理番組でもいいですけど。いきなり作り始めちゃダメです。

それから、考えるに。手際が悪い。料理本を見ながら料理を作る、と言っても、実際の場面では火を入れた鍋を横に置いて、本を見ようとすると、本は汚れるし、鍋は焦げる。あらあらネギが必要だったのね、といって鍋を火にかけたまま冷蔵庫からネギを出し始め、刻んでいる間にどんどん鍋が煮詰まっていく、みたいなね。

20111218_181708_p1030383当たり前のことですけど、作り始める前に一通りの流れはシミュレーションしておかねばなりません。でね、ここで「下拵え」というものをするんですよ。料理屋さんで言うと、開店前に仕込みってのをやってますわね。あれ。やっぱり素人の我々でも、仕込みをやらんとうまく流れんのですよ。

私の場合は、炒飯が一番わかりやすいですわね。強火で熱した北京鍋に油を入れて、回して油を馴染ませ、一度油を出す。新しい油を熱したところに、刻んだ葱を入れて香りが出たら、すぐに溶いた卵を投入する。まだ卵がぶくぶくと泡立っているところに、熱いご飯を投入し、お玉でかき混ぜ、あおり、鍋肌に押しつけ、かき混ぜ、あおり、ほどほどにほぐれた辺りで、適量の塩胡椒を投入し、更にあおる。いったんできあがった卵炒飯をボウルに出しておき、中華鍋をさっと熱湯で洗った後、再び熱し油を入れ、お好みで豚バラやら叉焼やら油通しをしたエビやらを入れて香りができたところに、さきほどの卵炒飯を投入し、炒め合わせる。火を止める直前に刻んだ葱をどさっと入れて、もう二三度鍋をあおる。ここまでの作業、5分とかかりません。一度始めたら、手を止めることなんかありませんぞ。

となると、鍋に火を入れる前に、葱を刻んでおき、卵を割っておき、熱いご飯をボウルに用意し、豚バラを刻んでおき、塩胡椒を取り出しやすい位置に置いてあることを確認しておかなきゃならん。加えて、盛りつける皿も準備しておけるということなし。そゆことです。火を入れてから、次にナニをするんだっけ、という状態ではいかんのですよ。仕込みが大事。作り始める前に、勝負は決まる、みたいな感じです。中華に限らずですな。

もちろん料理は炒飯だけ作ればいい、というわけではありませんので、これに合わせるものの材料、手順を組み立てておかねばなりません。

パスタを作る場合ならば、サラダもつけましょう。スープも付けましょう、と思う。ならば当然、作る順で言えばスープ、サラダを作っておいて、パスタを茹で始め、茹でてる間にパスタソースを作っていく。パスタソースのできあがりと同時にパスタが茹で上がり、ソースにパスタを投入、スープに最後の火を入れ、パスタを盛りつけハーブを載せて、スープを盛りつけ、上にイタリアンパセリを散らす。まあやはり最後の瞬間は、戦場です。

ということでね。本題に入ります。いやもうここまで来ると、本題の定義から見直さなきゃならんですけどね。

20111120_083450_p1030345でね。この戦場を駆け抜けるにあたって必要な装備、というものがあるわけですよ。でだ。包丁が登場するわけです。以前、こんな記事を書いておりますな。今回、買いましたのがこれ、グローバル包丁 フレキシブルナイフGS-11。サイズ的には、以前買った二本のglobal包丁の真ん中サイズです。が、長さだけでなく、刃の厚みが違います。圧倒的に薄いです。薄くて、よくしなるんですな。

包丁の基本、と言えば研ぎです。たまに、よく切れるという包丁を買ったのに、全然切れなくなった、すぐに切れなくなった、と仰る方をおみかけします。これはもう考え方が違う、というしかありません。ありとあらゆるものは、使えば消耗する。モノというのは手入れをしながら使い続けるものなんです。和包丁でもなければ、普通のご家庭なら1週間に1度でよろしい、研ぐべきです。研がにゃあならんのです。面倒ですけど、そういうもんなんです。砥石で研ぐ。これが最上ですが、そうでなくても、せめて研ぎ機を通すくらいのことはしましょうよ、と。でも、料理を自分で始める前は、面倒だったんで、三月に一回くらいしか研がなかったのは秘密です。まあ、それでもゴリゴリ押せばなんとかなっちゃいますしねえ。美しくはないですけど。

ただですね。いくら研いでも、刃の厚みというか、角度というか、その特性上の得手不得手というものは存在します。三徳包丁をいくら研いでも、トマトの薄皮を削ぐようにスッとはいる切れ味ってのは、なかなか持続しません。そんなときにこちら、GS-11,フレキシブルナイフです。刃が薄いので、力を入れて切るようなモノには向いていません。そう言う場合は三徳や牛刀を使うのがよろしい。ですが、トマトを薄くスライスしたいとか、あるいは刺身包丁もないのに、とりあえず刺身もどきを作ろうとか、薄造りをしようなんてときには重宝します。

薄い分、研ぐのはちょっと面倒です。力を入れると刃がしなるんで、砥石にうまく当たらなかったりしますが、逆に言うと今まで力任せにゴリゴリ研いでいたんだなあと反省しました。そこまで力を入れなくても、研げます。はい。

20111203_135252_p1030359フレキシブルナイフの話なんだか砥石の話なんだか、料理の話なんだかブレまくりですまんですね。もういいや、ついでに言っておくと、砥石を使いっぱなしにすると、真ん中だけが使い減りします。これ、やっちゃうと、フレキシブルナイフがしなるのと同様に、砥石が刃に当たる角度が変わってきちゃいますんで、思うように研げません。砥石を研ぐ砥石、というものも存在します。写真の一番右ですな。ぜひこういうものを使用して、フラットな面で研ぐようにしていただきたい。

料理もさることながら、こういう道具の手入れっちゅうか、そゆところに凝るってのが趣味の面白さであります。包丁研げるおっちゃんってかっこよくないですか、そんなことを小学生の頃から実は思っていたのです。

2011年12月11日 (日)

ハイドレーションシステム Platypusインシュレーター 2.0L まあそのなんだ要は水筒だよ

山を歩くなら、何より水を確保しろ、と。昔はですねえ、山の湧き水とか飲んだもんです。沢の水とかね。ああ、北海道はダメです。いや、差別とかじゃなくて。じゃなくて、北海道は、キタキツネやらが媒介するエキノコックスという寄生虫が、沢水の中にいる可能性があります。どんなにキレイに見えても飲んじゃいけません。それは30年前からそうでした。いや、たぶんもっと前からなんでしょうけど、知ったのはそのくらいですってことで。

でね。エキノコックス、怖いですよ。肝臓をやられる。場合によっちゃ心臓やら脳まで、ほっとけば死にます。でなくても、相当荒療治が必要みたいでねえ。まあ北海道人なら常識でしょうけど、内地の人は気をつけましょうね。

でね。エキノコックスとまではいかないにしろ、生水はやっぱりヤバイ。野生動物の糞やら死骸やらが上流にあるってことは十分にあり得ますし、あるいは人間のどなたかが上流でナニやらを流してる場合もあるでしょう。いやいや、生物学的なものだけであれば煮沸すればいいってことになりますが、いやいや、ひょっとしたら悪いヤツが化学物質を投棄してるかもしれません。まあ、こんだけ人が増えて、いろんなところに入り込んでいる昨今、テストしてない水は怖いっスよ。

ここで問題が一つ。じゃあ川で泳ぐ、沢遊びををする、って行為。これはどうなんでしょうね。別に水を飲みたくなくても、川で遊べば口の中に水くらい入ってきますわ。がぶりと飲み込むこともありますわ。これはねえ。どうなんでしょうねえ。奥武蔵の山中の沢の水と、利根川下流で水遊びしてるときに飲み込んでしまう水と、どっちが危険かっちゅうと、間違いなく利根川下流です。いや、利根川でなく荒川でも最上川でもいいんですけど。

おまえなあ、そんなこと言ってたら遊べないだろ、なに神経質なこと言ってるんだよ、と。まあそう言う議論も成り立つわけで、川遊びが大好きなおっちゃんが言えることではないです。

しかしね。水を飲むということが目的であるなら、なにも敢えてリスクを取らなくてもいいでしょ、ってことですよ。そりゃ、山中で水もない状況で道迷いでもしたら、迷わず沢の水を飲め。ですよ。泥水だって生きるためには飲まなきゃならん。しかし極論ですわね、そんなことを言い出したら。まあいい。話を戻そう。ってか、素から話がずれています。何が言いたいかというと、山に行くなら水を持て、でしたな。

でね。水を持つ場合、古来より水筒というものがあります。で、以前、こんなものを使ってるというご紹介をさせていただきました。アルミの水筒ですな。これはこれでよい。何より堅牢であります。ねえ、ザックの中で水が漏れたり、あるいは落としたときに割れたりしたら、そりゃあ意味がない。問題点としては、保温性保冷性が全くないことですが、それはもう仕方ない。保温性を求めるなら、こういうもののアリでしょう。 真空断熱ケータイマグ。これはいいんですが、どうしても重くなる。最近では魔法瓶型でも比較的軽い山専ボトルと言われる商品もありますが、これはまだ試してないです。昔ながらの似たようなものを持ってるんで、購入を躊躇ってるんですな。何グラムか違うだけだしなー、とか思うわけです。

さてと。で、これらをひっくるめた水筒の問題点なんですが、まず第一に水筒自体にある程度の重さがあるってこと、第二に運べる水の量を求めると、それだけザックの中で嵩張るということ、第三に水筒をいちいちザックから出し入れするのが面倒だってこと、ですな。まあザックのサイドポケットに入れるにしてもですよ。長く行動したいときなんか、脚を止めるのも時間がもったいない。歩きながら休めばいいじゃん、みたいな状況があるとき、水筒を出すのは面倒なんですよ。

20111113_101129_p1030221そういう方のために、開発されたのがこちら、ハイドレーションシステム。要するに、ビニール袋(もちろん正確には「ビニール」ではありませんぞ)に水を入れて、そこからチューブで吸い出す。そんだけのことです。しかしながら、そんだけと言いつつ、実際に本当にそんだけのもんをザックに入れて水を運べば、大変なことになるのは想像に難くない。確実にザックの中がびしょ濡れです。

で。当然のことながら、相当な工夫をして実用化しております。まず、水を入れる袋、これは当然見ずに化学物質が溶け込むような素材ではありませんし、水漏れが起きないように堅牢なジッパーを二重に使い、さらにそのジッパー部を留め具で挟み込むようにしております。もちろんチューブも水や空気が逆流しないように、吸い口には弁が設けられておりますし、接合部もしっかりと、生半可なことでは取れないようになっております。

当然、水が入っていないときには、軽く嵩張らず、しかもこの一袋で2Lもの水が運べます。ああ、もちろんその量は、袋の大きさ次第なんで、ご自身で選択してください。で、ごらんのようにチューブの吸い口が、ザックのショルダーハーネスを通して前に来る。うむ。で、必要に応じて、歩きながら吸い口を口に持ってくると、簡単に水が飲める、と。こういう素晴らしいシステムです。

しかも、こういう水の補給の仕方をすることで、脱水状態になる危険性を軽減し、加えてトイレに行く回数も減らせます。水を一時に大量に飲むと、吸収しきれない分の水を排出しようとしてしまいますからな。

20111210_133054_p1030377更にこちらの製品は、オプションとして、例えば冬期における保温や夏期における保冷性を高めるために、チューブを更にカバーし、本体もカバーを付けております。こうすることで、保温性保冷性を高めるとともに、ビニール袋の堅牢性も高めてくれるというありがたいシステムであります。あるんです。そう某ワイルドワンの店員さんに勧められました。まあ某ハイキング雑誌なんかにも、そういうことが書いてありました。

まあ、そうなんだろうけどねえ。間違いではないんだろうけどねえ。個人的にはどうも今ひとつ好きになれない。いや、いい悪いではないです。好きになれない部分がある、ちゅう話ですよ。ナニが。うん、つまりね。あのね気にしない人はいいんだけど、うん。吸い口がゴム臭いの。水がね美味しくないのよ。なんだかね、化学物質は溶け出したりしてないんだろうけど、なんか水分補給はできるんだろうけど、爽快感がないの。気持ち悪いの。

爽快感がないってのは、匂いの面だけではないです。吸い口から水を少量ずつ吸い出す、ってことなんですよ。つまり、喉が渇いたときに水の固まりをゴクリと飲み干す、あの爽快感がない。すっきりとしない。もちろん、体には十分水が行き渡っているわけなので、逆に言うと、ああ喉が渇いた、という脱水状態寸前の不快感もないわけです。

ところで、山に行くときにポカリスエットだの、BCAAだのをお使いになる方も少なくないと思います。まあ、これは自転車にも通じるんですが、水ばかり飲むのは飽きてくる。加えて、水と同時にエネルギーやらミネラルやらの補給もしたい。しかしです。ハイドレーションシステムだと、雑菌の繁殖や、材質の劣化の可能性を考えると、水以外のものが使えない。ああ、もちろん万一の怪我の手当のためとか、コーヒーを湧かしたりするために、ポカリ以外にも水は必要です。でも、ハイドレーションシステムに加えてポカリのペットボトルを持つなら、ハイドレーションシステムの意味がないですわね。

20111210_132834_p1030376メンテナンスの面倒くささも、お散歩山歩き屋さんには不満です。山歩きから帰ってきて、ビニール(ではないですけどね)袋の中を洗う。洗剤やら、塩素系漂白剤やらを使って、消毒殺菌する。更に、チューブの中をこの長い煙突掃除のブラシみたいなもんで、ゴシゴシする。キレイになったのかなっていないのか、よくわからんですが、とりあえずよくすすぎ、干す。この場合も、きちんと中の水が乾くように、袋の口を開け、吊しておく。長いチューブはそうそう簡単に水が切れませんので、数日間は干しておく必要があります。

ちなみにチューブと本体に付けるカバーですが、これも正直、お散歩屋さんでは効果は感じられません。例えば夏場にパックの中に氷水を入れておく。で、冷たい水が飲めるかというと、一時にチューブから吸い出す水の量は、チューブの長さ程度のもんです。ということは、冷水が口に車での間に、そこそこ温度は上がってしまっている、ということです。厳冬期の山に行くことは、私の場合まずないんで、保温性はわからんですが、熱湯を入れたとしても、この程度のインシュレーターで、数時間も温度が保てるとは思えません。

これはね。本格的山屋さんや、あるいはトレイルランナーさんたちのように、食い物を食うことすら時間が惜しい、山を歩いていること自体が一番の楽しみなんだから、エネルギーが切れなきゃいい、ってんで歩きながらの行動食だけで十分、夜も行動を止め次第寝る、なんて方には、最高のシステム、かもしれません。歩く、走る、そのこと自体が快感であるならば、それ以外の快楽は必要ない。山でコーヒーを飲む必要もないし、カップ麺もいらない。効率的効果的に水分を運び、補給する。であれば、最上の選択肢の一つであります。

まあ、これもね。いつもながらに分不相応な買い物をしてしまったのかなあ、店員さん@ワイルドワン、勧め上手だなあ、いやいやよほどの上級者に見てもらったのかなあ、いやいやごめんねヘタレなおっちゃんで。とか思いつつ、実は奥さん用に買った1.8Lのハイドレーションシステムが封も開けずに置いてあったりする、相も変わらず情けない話であります。

2011年12月 3日 (土)

モンベル レインウェア トレントフライヤージャケット と パンツ

どうにも凹んでおりますと、買い物意欲もあまりわかない。いやいや、それは老境に入りつつあり、物欲からも解放されているのではないか、と思わないでもない。といいつつ、実は少し前に買っていたものがある。ので、そちらのレポートをいたしましょう。

20111203_141811_p1030360ということで、こちら。モンベル トレントフライヤージャケット とパンツ。要するに、カッパです。はい。以前、こんなもんのレポートをしました。まあ、端的に言うと、山を歩くならゴアテックスのカッパ、もう今どき常識でしょ、ってなことですわ。

でね。ゴアテックスって素材なんですが、以前書いた記事とかぶるんですが、要するに多孔質の薄いフィルムなんですね。メーカーさんのサイトを見ると、エラク耐久性があるかのように語っていますが、実際のところ2~3年も使うと、なんだか水がしみてきたなあってな状況はよくあります。フィルムの素材自体がそうそう劣化するものではないとしても、例えば縫い目、いわゆるシームの部分のテープが弱くなったり、あるいはフィルムシートが何度も折り曲げられることでその部分が剥離してきたりすることはあるわけです。

それに加えて、生地表面の撥水性が落ちてきますね。雨が水玉にならなくて、生地にべったり張り付くようになります。こうなると多孔質のフィルムは、その孔をふさがれた形になりますんで、極端に透湿性が落ちてきます。こうなると、もうただの防水素材ですわね。

20111203_154155_p1030365ちなみに、この撥水性は、洗濯と撥水剤の使用で、若干は復活します。おそらく今のところ一番いいのは、これNIKWAXの洗剤と撥水剤でした。一般的に売られている撥水スプレーでは気休め程度のものです。ただ、これとても購入当時のころころと水玉ができるような状態まで復活するものではありませんので、過剰なご期待はなされぬよう。そこそこ、です。そこそこ。ただ、そこそこ程度のものしかないのが現状ではないかと思います。

しかもこれ、ごらんの通り、結構なお値段がします。洗濯機、あるいは手洗いでやるんですけどね、洗剤のほうは何度か使う分はありますが、撥水剤は洗濯機に一本分投入という使い方をします。しかも、それをやると、洗濯槽が撥水剤の成分でにちょにちょになってしまうという、結構イヤな欠点があったりします。

ですんで、私はバケツを使って手洗いします。そうすると、多少経済的ですが、こんどは手がにちょにちょになります。まあそのうち取れますけど、なにしろ撥水剤が成分なので、手を洗ったくらいでは落ちません。そんなことをして、撥水性を復活(っぽく)させたりして寿命を延ばして、3年ですね。使用頻度にもよりますけど。毎日使ったら半年。そんな感じですか。まあ毎日雨は降らんですけどね。

となるとですね。やっぱり、3万もして、3年でダメになるのぉ、ムダじゃん。まあそういう考え方もありますが、そこらへんは以前の記事をお読みください。

20111203_142016_p1030362概ね、私は3年ぐらいごとに買い換えていきます。で、前回の記事から3年程度で、再びこちら、モンベルのストームクルーザー(旧モデル)を買いました。ところがですねえ。ところがなんですよ。それから1年もしないうちに、トレントフライヤージャケットという、新しい製品が発売されたじゃないですか。ね。うん。

これがねえ、なかなかいいんですよ。トレントフライヤージャケット以前の、というか今もモンベルレインウェアの最高峰は、ストームクルーザーです。性能に間違いはありません。しかしね、トレントフライヤージャケットが発売されたのを見て、いくつか不満があったことに気付いたんです。

一番の違いは、フードの処理です。ストームクルーザーは、フードを丸めて襟の中に収納することができます。フード付きジャケットだと、時々やる手法ですわね。フードがないジャケットとしても着られる、みたいな。ある意味リバーシブル的な二通りの使い方ができる、みたいな。感じです。

ところがですねえ。このフードを収納するタイプの襟というのは、実に邪魔くさい。ごわごわと分厚く、決してお洒落ではない。なおかつ、レインウェアとして使う場合、フードを収納して使う場面って、どのくらいありますかね。いや、あるんですけど、フードを収納しなければならない場面、ってことです。ありますかね。別に出っぱなしでもよくないですか。

20111203_142028_p1030364考えられるシチュエーションとしては、防水のハットをかぶって雨の中を歩く。この場合、フードが出ていたら、確かに水が溜って困ります。うん。でね。私もゴアテックスのハット、キャップって一応持ってるんですよ。でもなあ。みなさん、普段ゴアテックスの防水のハットって、どんなときにかぶりますかね。キャンプならいい。しかし、山歩きでは風が強い稜線では飛ばされそうになるし、気温が高いと蒸れる。意外と使いづらくないですか。使いづらいんですよ。わたし的にはですよ。

となると、フードで歩いた方がいい。となると。フードは出しっぱなしでいいんじゃないか。となると、嵩張るだけの襟は、不要ではないか。ね。ちょっと不満でしょ。で、トレントフライヤージャケット、フーディジャケットなわけですよ。襟元が潔い。

でね。さらに実はストームクルーザーに比べて圧倒的に軽い。いや、もちろん軽いってことは生地が薄いってことでね、耐久性を考えると両刃の剣的なことはあるんです。薄いんですもの。破れやすいに決まっています。岩場とかブッシュとか。そういうところに突っ込む方は、選ばないでしょうな。軽くするためにポケットすら削っている。雨具のポケットを多用する方には不便です。しかしね。これも、ポケットって使うか、雨の中で。と思うことの方が多いんですよ。だって豪雨の中でポケットなんか、どのみち使わない。ポケットに水が入ってしまう。そう割り切れば、ポケットは一個でいい。

生地が薄い分、ゴワゴワしないから、着ていても普通のジャケットと同じように軽い感じでいられる、ってのもメリットですな。当然、しまうときもコンパクト。トレントフライヤージャケットとパンツの二つまとめて、ストームクルーザージャケットの袋に入れてます。余裕でおさまります、

20111203_141835_p1030361色合いが派手なのもいいですな。あ、もちろんラインナップには黒とかもあるんですけどね。黒は、お勧めしないなあ。なんでもスズメバチとか黒いものに襲いかかるっていうじゃないですか、真偽のほどは知らんですけど。そうでなくても、猟師さんに熊と間違って撃たれたりとかね、あるいは山の中で迷子になっても目立たないとかね、あるいはザックの中とか洋服タンスの中とかに放り込んだとき、見つけにくいとかね。まあ、アウトドアグッズの黒って、結構不便です。

逆に、こんだけ派手だと自転車で通勤しようと思ったとき、ちょっと会社にまで来ているのはどうだろう、ってのはあります。でもその分、アウトドアに出ているときに着ていて楽しい色ではないかと思うのであります。

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