海外旅行 台湾編⑥食う(3)かき氷
さあ、ここが士林夜市。嘘です。士林の前にどうしても言いたい。つうかですねえ。饒河街観光夜市であんなに暑かったわけです。汗だくになったわけです。体を冷やしたいでしょ。そりゃ冷やしますよ。
そこで、そんなあなたにお勧めなのがかき氷です。と言っても日本のかき氷をイメージしてちゃいけませんぜ。台湾、なめんなよ、ってなもんです。あのね。実は台湾で一番気に入ってるのは、かき氷かもしれません。
子どもの頃にね、夏になると10円20円握りしめて駄菓子屋さんに行くわけですよ。当然この時は麩菓子だのラムネだの買いませんよ。行き先はひとつ。店頭に置かれた冷凍庫。あのスライドドアの「名糖」とか書かれたアイスボックス。ここに手を突っ込んでね、選ぶわけです。あんまり長いことごそごそやってちゃいけません。兄貴分に、溶けちゃうだろって叱られます。まあもってるお金も10円20円ですから、そんなに選択肢がある訳じゃあありません。ただね、ここで2つの選択肢がある。男には選ぶべき道が二つ、あるんですよ。それは即ち「アイスクリーム」か「アイスキャンディー」か。これです。
わたしはもうそれは絶対アイスクリームですよ。アイスキャンディー?ダメです。まずね、かじったときにガリッて歯に響くでしょ。あれ。あれがもうダメダメ。カップに入ったかき氷だって、まず木のスプーンが刺さらない。でガリガリって表面を削ってるウチに端っこの方がただの色つき砂糖水になっている。もう、あれがだめ。
その点アイスクリームは違います。舌に乗せるととろりととろけて、口の中にまったりと広がります。しかも、まったりとしつつ体がすっと冷えてくる。素晴らしいじゃありませんか。食べ進めるウチに堅かったクリームは、まるでクリスマスケーキのバタークリームのように柔らかくまとわりついてくるようになるんです。ミンミンゼミが鳴きわめく炎天下、そこだけ北極のシロクマ君ですよ。
ま、当時食べてた「アイスクリーム」は今の食品法ではなんて分類されるんでしょうねえ。アイスミルク、ですか。でもまあそんなこたあどうでもいい。わたしたちにはあれこそアイスクリームだったんですよ。
それぐらいですね。わたしはかき氷とアイスクリームがあったらアイスクリーム派なんです。かき氷なんてねえ、食べると歯がしゃきしゃき鳴ったり頭がきーんとなったり、胃がぎがぎがぎがって痛くなったりとかねえ、ろくなこたぁないんです。
でね。饒河街観光夜市、死ぬほど暑いし、ビールはないし。そこでかき氷です。もう仕方ないですもん。旨いとか旨くないとかじゃなく、体冷やさないと死ぬかもしれません。で、注文したのがこれ。
あのね。目が覚めました。これ、なんてぇ食いモンなんだい?いやかき氷なんですけどね。日本にゃない。絶対ない。見たでしょ。まずイチゴ。完熟イチゴですよ。さらに横に完熟マンゴーです。おまけにキウイ。たっぷりと乗った完熟フルーツの周りにたっぷりと練乳がかかり。さくっと冷たい氷を口に運ぶと、口の中で熟れ熟れのマンゴーがとろりと崩れ溶けた氷と一体となって喉を下ります。
おいおい。これはなんなんだい?かき氷?これがかき氷ってんなら、おいらが今まで食ってきた、あの甘ったるいだけの赤い汁のかかった氷はいったい何だってんだい?え?
これで100元。だいたい400円前後。日本の甘味屋で今シロップかけただけのかき氷がいくらするんだい?
じゃあ、次だ。こいつは「九份」(ジウフェン)って有名な観光地で食ったかき氷。一番上に見える古漬け沢庵みたいに見えるのは、甘く煮込んだ薩摩芋。その下にはあっさりと甘いあずきがたっぷりと乗っかって、さらにその下、白玉みたいな食感の餅がたっぷりと入ってる。トッピングは何種類もあって、仙草とかタピオカだとかいろいろ選べるんですけど、わたしはこの得体の知れない沢庵をくってやれって思ったんですけどね。またねわたし薩摩芋好きなんですわ。薩摩芋のほこっとした食感、白玉(もっと黄色かったですけど)のもちもちっとした食感、小豆のさわやかな甘さ、これらがね氷のとんがった冷たさをふんわりと包むんですよ。
こういうトッピングを食べること自体が、箸休めのようになって、頭がきーんとなるようなことが少なくなるわけです。なりますけどね。しかし、頭が痛いのより最近は胃がぎがぎがぎがって痛くなるの、あれが耐え難くつらいんですけど、あれはなんなんですかね。
で、これいくらだったかなあ。値段忘れたんだけど、安かったです。100元はしない、40元くらいだったような違うような。でもね、観光地でこの値段なの?って思ったことだけ覚えてますから、やっぱり安かったんだろうなあ。
さて、いよいよ本命の話をするときが来ましたな。台湾のかき氷と言えば、まあこれも言わずとしれた冰館(ピンクァン)のマンゴーかき氷。むちゃくちゃ有名です。今は夏なんでマンゴーかき氷、マンゴーの季節が終わるとイチゴかき氷になるそうですが。つってもね、あのね日本のかき氷(イチゴ)をイメージしちゃいけません。
夏のお祭りでね、150円とか200円とか、カップに氷をさらさらとかいて、赤いシロップをたっぷりとかけてもらってね、あ、冷たぁい、なんて。ふざけんな。って世界ですよ。氷に砂糖水かけただけで、150円?甘味屋さんで300円?こら、おまえ、何考えてるんだ?ってことですよ。
冰館のイチゴかき氷は、文字通りかき氷の上にイチゴが山となって積まれています。まあわたしが行ったときは夏だったんで、見てないんですけど。こっちがマンゴーアイスですよ。かき氷にマンゴーシロップ、その上一面にこれでもかって熟れ熟れのマンゴーを積み重ねて、その上にマンゴーアイスをぽんと乗っけてます。もうね。なんなんだ、これは。マンゴー旨すぎです。あのね、わたしそんなにマンゴー好きじゃないですよ。日本で食べるマンゴー、熟れてないのかなあ、堅かったりとかね、渋みみたいなのがあったりとかね、漆科の植物なんですよね、マンゴーって。なんかかぶれそうじゃないですか。
ところがね、台湾さすがマンゴーの国ですよ。とろけてます。イヤな臭みや雑味がない。まあよく冷えてるってこともあるんでしょうけど。視覚的にだまされてるのかもしれないですけど。そんでも、この迫力は圧倒的です。超級芒果牛奶泡泡冰150元 。
とりあえずですね、日本のかき氷界とハワイのシェイブアイス界は土下座して台湾のかき氷界に入門すべきですよ。全く。
台湾最高っ!とまあかき氷に惚れました。
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