海外旅行 韓国編③食べる 焼肉
韓国旅行と言えば、何ですか。食うでしょう。やはり。一番はやはり食うことでしょう。昔はね、キーセン観光とかあったらしいですけどね。まあ興味のない分野なんでどうでもいいです。なんつうかですねえ、こういうの聞くと、志を持って生きろよ、とか思います。
よく言うじゃないですか。自分に正直に生きろ、とかね。これね、レベルの違いがあるわけです。自分(の欲望)に正直に生きるってのと、自分(の志)に正直に生きるってのが。自分の志に正直に生きようとするとですな、例えば自分が食べたいものを我慢して人に食べさせたりする。欲望に正直だと子どもの食い物を奪って食ったりする。ねえ。そんでもって、俺は自分に正直に生きてるだけだとかってうそぶいたりするわけです。くそくらえですな。志無 くしてなんの人間ぞ、武士は食わねど高楊枝ですよ。武士じゃないけど。日本人であることにプライドを持つなら、プライドを持てる生き方をしろよ、って思います。
まあいいや。
さて、とりあえず欲望を果たすことで自分も幸福、相手(おみせ)も幸福になれる、そんなふうに食欲を満たしたいですねえ。
というわけで、焼肉です。あのですな。実は、もう焼肉が嬉しいってなお年でもないです。これご同輩なら確実にご理解いただけるところでしょう。特にテレビなんかでもよく見る、松阪牛の霜降りの厚切りカルビ、なんてやつ。ありゃあもうダメです。一切れならなんとかなるでしょう。しかしもうそれ以上はダメです。気持ちが食いたくても体が脂を拒否します。実際ね、こないだステーキ焼いて食ったですよ。オージービーフのサーロイン200g、かな。これをね、いわゆるミディアムレアよりちょっと火が通った程度に焼いて。ニンニクと醤油でソースを作ってね。これは行けます。フルボディの赤ワインを合わせて、さっくり食べきりました。
ところが、そのちょっと前奥さんの誕生日に奮発して買ってきた、米沢牛、だったかな。霜降りのたっぷり入ったお肉フィレ120g。これがね。食べきれなかった。
確かに霜降り肉は旨い。つか肉月(にくづき)に旨いと書いて脂です。天ぷらにしてもフライにしても、或いはフランス料理のソースにしても、結局は脂です。熱量を旨いと感じる、これは当たり前のことですな。生きてかなきゃなりませんから、エネルギーを旨いと感じて好んで摂取する仕組みを持っております、人間は。
しかしです。年を取って、体がそれほど熱量を必要としなくなった。そうなったらもう脂を大量に取る必要がなくなるわけです。というわけで、脂を食べたくなくなるのは、自然の摂理というもんです。
いや。食ってる人はいますよ。食える、と自慢する人もいます。しかしね。よく考えた方がいい。必要でないモノをただ取っているとすれば、どこか自然の体の仕組みが壊れてる可能性があるです。メタボなんてその現われですからな。自慢できることではないのですぞ。剣呑剣呑。
さて。なんの話でしたっけな。
ああ、焼肉ですね。なんで韓国と言えば焼き肉なんでしょうか。松阪牛の国日本、でもないし、オージービーフの国オーストラリアでもない。韓国の焼肉に使う牛はほとんどアメリカ産だとか聞いたことがありますが。どうも比較的新しい文化のようですな。ま、それはともかく、今は韓国と言えば焼肉なんです。それも骨付きカルビ。これですな。なんだかんだ言ってもこれは食べないわけにはいきませんぞ。いわゆる韓国食文化の一つであるのですから。
明洞にあるガイドさんお勧めの店です。まあこの辺りは異論のあるところです。ガイドブックにすら、ソウル一の繁華街明洞には、これといって旨いモノはない、と書かれています。しかもガイドが連れて行く店、となるとですねえ。怪しいです。おおむねガイドが連れて行く店ってことになると、ガイドがリベートをもらってたりして、当然その分の値段が料理の値段に上乗せされていたりして。ね。ありがちです。ちなみに名前は忘れました。しかも店の外見の写真もない。あまり情報としては役に立たないです。すんません。
しかしここ、お姉さん(オンニ)が実に日本語が上手い。大体ですね、どこの国に行っても日本語メニュー、日本語接客の店って高いってのが相場です。まず間違いないです。
しかしですねえ。逆にね。こう考えるわけですよ。自分で探し回る能力、体力、時間があるなら、そりゃ自分で探しましょうよ。それもまた楽しみの一つです。でもね。初めての国、経験値0の中で、ガイドブックやらインターネットやら口コミやら、どこの店がいいかなんてわかりゃしませんよ。しかもお腹ぺこぺこなんて状況で、探してなんかいられないです。つまり、その分の労力を金で買う。これ、ありでしょう。何日かお付き合いするガイドさんです。あまりにひどいボリ方をすることもないでしょう。ひょっとしたら善意の方であるかもしれません。ガイドさんがそこそこイケますよ、って言えばそりゃそこそこイケルんでしょう。
ソウルで一番旨い店と、ソウルのそこそこ旨い店、そりゃあ違うんでしょうけども、経験値の低い人間にわかんない可能性の方が高いです。まあそう割り切れば、ガイドさんに連れて行ってもらうのも十分ありだと思うんですね。
で。なんの話でしたっけな。
ああ、焼肉ですな。一応お勧めのコースというのがありまして、タンから始まり一通りの肉を焼いてもらいます。ご存じの方も多いでしょうが、韓国の焼肉店では、オンニがずっと付いていて、全部焼いてくれます。日本のように自分では焼かないです。ずっとそばにいてくれるわけですんで、やはりこういうとき日本語が堪能なお姉さんであると、非常に居心地がよろしい。少しお値段高めでもしょうがないと思いましたな。
ただ、どんどん食え食え状態で焼いていきますのでね。自分のペースでは食べられない。正直ちょっとせわしない感は免れません。その代わり、いろいろと食べ方を教えてくれる。で、それがまた普段やったことのない食べ方ですんで、目新しくもありおいしくもあり。良し悪しですな。
肝心の肉ですが、骨付きカルビにしろ、サムギョプサル(豚)にしろおいしくいただきました。逆に言うとですね、日本で一般的に言われるところの「いい肉」ではなかったです。まあこれは値段次第というところでしょう。韓国でも超高級店と言われるようなお店では、日本の霜降り肉が提供されるようですし、そういうのがお好きならばそちらに行かれるとよろしい。ただ普通に飯を食う、ビールを飲むつもりならば脂控えめで肉を堪能できるほうが有り難い、と思うのはわたしだけではないはずです。
当然、締めは冷麺と石焼きビビンパブです。冷麺も食べやすいように切ってくれます。しかし、どうせ切るなら、はじめから切って出せばいいのに、ってのは日本人誰しもが思うところではあります。
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