最強! サーモス 保温調理鍋 シャトルシェフ KBA-3001
実は、かねてから疑問に思ってたことが一つあるです。ダッヂオーブンは魔法のお鍋、って台詞です。何でも美味しくできますよ、ってぇあれです。ほんまに?って思ってたわけです。
私がほぼ休日ごとに顔を出す某ワイルドワンさんでは、キャンプシーズンが近づいた日曜日のイベントとして、店頭でダッヂオーブンの実演をやって見せてくれます。丸鶏1羽にジャガイモやタマネギなどのお野菜を丸のまま放り込んで、炭火でじっくりと焼き上げます。炭の焼ける匂いにだんだんと香ばしさが加わって、見物の子どもたちは興奮して駆け回り、お父さんは期待と夢に目を輝かせながら、オーブンの開くのを待っています。
湯気と共にオーブンの蓋が開くと、中にはいい具合に色づいた丸鶏と焦げ目の付いた野菜が、じゅうじゅうと音を立てているのが見え、興奮は最高潮に達します。紙皿に取り分けられ配られる鶏肉と野菜をほおばる。お母さんが「美味しいね」と子どもたちにほほえみかける。コレさえあれば、とお父さんはゴールデンウィークのキャンプの計画を立てながら、夢を描くわけです。うん。
まあそゆことだよね。間違ってない。
けどねえ。諸君、そんなに丸鶏ばかり焼くか?いや、豚焼いても牛焼いてもいいんですよ。いいんだけど、そう毎日毎日オーブンで焼いたモノばかり喰うか?ってことです。
キャンプの楽しみってのは、私にとっては基本ボーッとすることなわけですけど、そうはいっても本当にダラダラと過ごすなんてのはそうそうできない。つまんないですもん。やっぱりなんかすることに意味があると感じられる、気持ちのいいことをして楽しみたい、わけです。つうことで、面倒くさいんだけど、食事を作るってことはかなり大きなお楽しみであるわけです。だからこそ普段食事なんか作らないお父さんが袖をまくり上げて、よーしパパ頑張っちゃうぞ、なんて言うわけですよな。
まあそゆことだよね。間違ってない。
だから、ダッヂオーブンを使うこと自体、キャンプのお楽しみとしては全く間違ってない。と思うわけです。ただし、何でも美味しくできる魔法のお鍋、ではない、と思うわけです。私がよく作るのは、ローストチキンではなくローストポークです。豚、旨いよな。うん。でね。だけどやっぱり火が強すぎたり、焼き時間を誤ったりすると、炭のようになってしまいます。当然だけど、魔法はかかってない。かなり哀しい消し炭ポーク。
私の使うのは黒皮鉄板のお手入れ簡単ダッヂオーブンですけど、シチューとかカレーとか作ったまま鍋に入れっぱなしで置くことができない。鍋が錆びたり、中のものの味が変わったりしてしまう。作りすぎてしまったときなんか大変。別の入れ物に移し替え、さらにまた後で食べるときは、また鍋に戻して温め直さなきゃいけません。
使い終わった後は、すぐにお手入れ始めます。これもね、重くて大変。奥さんは重いからって嫌がって使いません。
まあ、それでもね。面倒くさい道具であればあるほど、そこで作られる料理にアウトドア風味が乗っかって、旨い楽しいお食事タイムとなるわけです。そこらへんは全く否定しません。
ただし、なんでも美味しくなる魔法のお鍋、ではないと思うです。あれはあくまでもオーブン料理の道具なんではないか、とね。鳥を焼く、パンを焼く、あるいはケーキすら焼ける。けど。煮込み料理がそんなに得意、つか煮込み料理を使う道具としては無駄に使いづらいんじゃねえのか、と思ってたわけです。
では。ということで、実はこれこそが魔法のお鍋である、と、そゆものが存在するんです。それがこれ。サーモスの保温調理鍋 シャトルシェフ KBA-3001。
サーモスってのは有名な魔法瓶会社です。山屋さんならテルモスとか言うかもしれません。シャトルシェフはそんなサーモスが作る、真空二重構造の鍋です。
煮込み料理っつうのは、要するに素材に火を通すことで、素材を柔らかくし、調味料の味をしみこませる料理です。ところがご存じと思いますが、火が強ければ強いほどいい、というもんではないわけです。むしろとろ火だとかの、80℃くらいの温度が一番味がしみて、柔らかさを引き出す温度なんだそうです。まあね、肉とか高温でグラグラ煮たら固くなりそうですもんね。野菜なんかぐずぐずに煮くずれそうです。
そこでシャトルシェフ。一度火にかけて沸騰させた鍋(内鍋)を、二重構造の保温鍋(外鍋)の中に納めて放置するだけで、適温で長時間煮続けてくれるわけです。しかもぐつぐつと煮ないから煮くずれもしない。
今回、四泊ほどキャンプを楽しんできたんですが、1日目の夕食は、まあ基本のバーベキュー、つか焼き肉です。こりゃまあ仕方がない。冬キャンは寒いですからね、焚き火の周りでとる食事がありがたい。つか冷たい飯なんぞ食えるか、死ぬぞ、おい。みたいな感じです。
で、二日目。朝の内にシャトルシェフの中にゴリゴリと固そうなすね肉と野菜を炒めたモノを放り込んで10分ほど火を通し、保温鍋に入れてそのまま放置。昼にもう一度再加熱してまた放置。夕方頃にシチューのルーを入れて30分ほど放置。それで終わりです。後は、バゲットを切ったものとチーズ、赤ワイン、ブロッコリを茹で上げたものを添えます。もうね、すね肉、ホロホロです。筋のところなんかぷりんぷりんですよ。これがまあ赤ワインに合う。
で。ここが一番素敵なところ。ビーフシチュー喰うでしょ。寒空の中、いくら焚き火のそばと はいえ、どんどん冷えていくわけです。さっき茹で上げたブロッコリなんか、あっという間に気温と同じ5℃とか。冷蔵庫から出したばかりみたいになります。
ところが。シャトルシェフは保温鍋なんです。つうことは。一杯目喰った後、おかわりをするときも鍋の中は熱々のままなんです。これ、すげくないですか。ありがたくないですか。まさに、魔法ですよ。魔法瓶ならぬ魔法鍋ですよ。
ちなみに、三日目の夜は豚汁。これがまあ、また熱々でね。旨いこと美味いこと。豚、美味いなあ。
四日目の夜は、おでん。やはり朝の内に材料を放り込んでおくだけ。ああ。もっとも大根の下茹でや油ものの湯通しは基本としてやりますけどね。大根なんかねえ、これが中まで味がしっかりとしみて、箸でさくっと割ってねえ、和辛子をちょいちょいと付けまして、おっとっと。いけねえ、辛子を付けすぎちまったぜ。なんてことを言いながら、熱燗をグイっといくわけです。お、おまえさんも一杯どうだね、ささご一献。
当然のことながら、鍋はステンレス製なので、残ったおでんはそのまんま鍋の中に残しておいてよろしい。翌朝、軽く温めて朝食にいただけばまた乙なもんでやす。
てなわけで。特に冬キャンプにおいて最強鍋&魔法のお鍋と言えば、シャトルシェフ、これに極まる、ということです。
ちなみに当然のことながらシャトルシェフはおうちでもとても使いやすいお鍋ですんで、煮豚とかぜひ。豚、旨いぜえ。
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