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カテゴリー「グルメ・クッキング」の50件の記事

2021年1月25日 (月)

35年前に買ったリバーライトの北京を磨いてUNILLOYフライパンを買った話

_000-5 まず、ユニロイでなくて、35年以上使ったリバーライトの北京鍋の話をしますよ。

リバーライト社のウェブサイト見ると、創業43年って書いてますね。たぶん発売して、そんなに間もない頃から使ってます。まだ若い頃でねえ。というか結婚祝いに友達にねだって買ってもらったものですから、結婚生活=リバーライトと言っても過言ではない。若い、お金のない時代にこんなものを買ってくれた友人に感謝です。今となっては音信不通なのですが、それでも北京鍋を使うたびに彼のことを思い出します。

 

ということで、みなさん、結婚のお祝いには北京鍋を贈りましょう。

 

で。リバーライトの北京鍋、鋼板でできてます。だからこそ35年も持っているわけですが、お手入れ方法としては錆を防ぐために、きれいに洗った後、北京鍋を温めて薄く油を塗ります。薄く塗るんですが、35年も塗り続けていたら、薄い皮膜も厚くなります。

 

あれ、小汚い町中華のお店で、換気扇のところが真っ黒になってるじゃないですか。油が長年の間に樹脂化しちゃったやつ。あれですね。毎回洗っていても少し残っている油分に油を重ねていくわけで、それが樹脂化してこびりついているんです。これは焦げとは違います。

 

さすがにこうなってくると、熱効率も悪くなってそうだし、美しくない。こんだけ油の樹脂がこびりついていたら、捨てるしかない。いやいや。鉄のフライパンなら再生できるんですよ。一回、樹脂を削り落として、フライパンを磨き、鉄の層を出したところで、再度、油膜を作る、と。そんだけです。簡単です。言葉では。

 

_001-4 _002-3 こないだ、やりました。まあこれが重労働で。まず樹脂が取れない。えー、そりゃもう取れない取れない。ステンレスたわしなんかてんで歯が立たない。クレンザーなんか粒子が細かすぎて問題外。180番の耐水サンドペーパーも無理でした。60番くらいならいけるかもですが、樹脂が薄いところが削れ過ぎそう。結局、金属へら使いました。ガリガリと。力業を1時間以上続けて、更に大体の樹脂が取れたところで、サンドペーパー180番、320番と目を細かくしていって。汗だくですわ。

 

これね、ここまでの作業は、よほどの根性と根気がないと、買い替えた方が楽です。

 

でだ。だいたい磨きが終わったら、ガスコンロで色が変わるまで空焼きします。焼くことによって、鉄の表面に酸化被膜を作って錆止めをします。いったん冷ました後、油を入れて熱し、酸化被膜の上に油のコーティングをする。油のコーティングは2,3度重ねた方がよいでしょう。

 

_005-1 ということで、これで一応、新品の頃と同じ状態に戻せます。お金があったら買い替えた方が楽ですけど、愛着という点ではなかなか満足感が高いです。空焼きして油慣らしをするこの作業、シーズニングと言いますが、鉄製のフライパンを新品で買ったときに必ずやる作業です。でした。

 

リバーライトも買ったときはそうして使い始めたんですが、実は今回ユニロイのフライパンの記事を書くために調べていて、おやっと思ったことがあるんですわ。「空焼きをする必要はありません」って書いてあるんですよ。えー。えー。そうなの? それでリバーライトのホームページも見てみたら、おや。リバーライトのフライパンも空焼きしなくていいと書いてあります。おや?

 

今現在リバーライトで製造しているフライパンは「極JAPAN」というシリーズ、どうやら昔のものとは違うようです。昔の、というか今も多くのフライパンは出荷時に錆防止のために全体をクリアラッカーでコーティングしてます。熱するとクリアラッカーは有害物質を出すので、使う前に焼き切るという作業が必要でした。ところが今の極JAPANシリーズはクリアラッカーでなく窒化処理というのをしているようです。これはそのまま使い始められるコーティングなので、空焼きの必要がありません。進化してる! 

 

35年も経てば鉄のフライパンも進化するんですなあ。しかし今回再処理したリバーライト、また後35年くらい活躍してくれるでしょう。

 

_000-4 ということで、最近鉄の北京鍋使うようになってまして、鉄のフライパンもいいなあと思うようになってました。順序から言うと、北京鍋使用頻度上がってきた→鉄のフライパンも欲しいなあ→ユニロイぽちっと→北京鍋きれいにしよう!→ユニロイキタ!です。

 

鉄のフライパンを買うなら、どうせなら鋳物がいいなあ。もうずいぶん前から「魔法のフライパン」という名前を聞くようになりました。蓄熱性のいい鋳物ですが、問題は重さ。キャンプ用のダッジオーブンとかスキレットとかね。使って行くうちに油が鍋肌になじんで、いいテカリを出してくれます。ただ問題は重さ。スキレットの大きいのなんか、何キロあるんだろう。片手では持てないくらいの重さがあります。いくら良くても、そんなの使う気になれません。

 

そこで、錦見鋳造株式会社さんが、持てる技術をつぎ込んで、薄い鋳物のフライパンを作りました。それが魔法のフライパン。人気です。あまりに人気過ぎて、26㎝1万円のフライパンが現在納品まで3年6か月待ち。え? 

 

実は楽天やAmazonで、即納で買うこともできます。27,800円で。え? 

 

うん、つまり転売だね。絶対買わねえ。いやいいもんなんだろうけど、別に本当に魔法がかかってるわけではなし、メーカーさんが付けてる1万円なりのちゃんとしたフライパン。転売業者が買い占めて、Amazonや楽天で売る商材にされてます。買っちゃいけません。

 

上手く使えれば鋳物のフライパン、いいだろうと思います。ただ実際に魔法がかかってるわけではないから、どんな使い方をしても料理がおいしくなるわけではない。薄い鋳物にすることで、軽いというメリットは出ますが、蓄熱性はある程度犠牲になります。バランスの問題。薄いアルミパンよりはずっといいだろうけど、熱周りがいいだろうから、火加減も大事。魔法のフライパンだから27,800円の価値がありますよ、みたいな詐欺商法に引っかかっちゃいけません。錦見鋳造さんも悔しいところでしょうねえ。

 

で、しょうがない。錦見鋳造さんの技術はすごいけど、そうやって先駆者がいれば日本には他にもきっと技術者がいます。

 

最近、鋳物フライパンで話題になったのは石川鋳造株式会社さんの「おもいのフライパン」。これは商品コンセプトにもはっきり打ち出されていますが、スキレットほどではないけども、しっかりした厚みを確保した「重い」のフライパンです。これはねえ。いい。いいけど重いよ。日常的に誰でもが使えるかってえと、難しいかもしれませんねえ。だって26㎝で1.8㎏あるんだもの。うちで買ったら、奥さんは絶対に使わないでしょう。

 

それに17600円とお高めなのに、やはり人気の商品なので届くまで90日待ちです。やめとこ。

 

他にも鋳物のフライパンはありますが、ほぼスキレット。重さが2㎏を越えるようなものが多いです。やはり、1㎏を下回る魔法のフライパンの技術はすごいですねえ。

 

ちなみに、ちょっと検討したのがバーミキュラの鋳物+ホーロー加工のフライパン。これはホーロー加工というあたりが、どうしてもデリケートな扱いを要求されそうで、パスしました。

 

_001-3 そんな中見つけたユニロイフライパン、1.3㎏。ユニロイというのは燕三条にある三条特殊鋳工所が作った鋳物のフライパンです。正直、今回いろいろ調べてみて初めて知ったブランドだったんですが、決定したのは納期です。1か月半。3年半待ちなんてあり得ないし、90日待ちだっていやだ。ユニロイはまだそれほど知られてないせいか、比較的早く手に入りそうです。ちなみに僕が買ったときは1か月半待ちでしたが、さっき見たら3か月待ちになってました。

みんななんでそんなにフライパン好きなん?

 

ユニロイのコーティングは魔法のフライパンのような窒化被膜ではなく、シリコン耐熱被膜を使っているそうで、やはり空焼きの必要がないようです。シリコン皮膜は使っているうちに取れてくるそうですが、その頃には油も馴染んで特に問題がないでしょう。たぶん。

 

この頃、北京鍋とか鉄の鍋を使っていて、しごく当たり前のことなんですが、火加減って大事だなあと思ってます。よく中華屋さんが業務用のガス台でガンガン火を入れているのを見てて、ついつい強火で手早くなんてことを思っちゃいますが、強いだけの火だと焦がしてしまうのが関の山、火の弱めどころ、止めどころをちゃんと使えることが大事なんだなあ。このフライパン、熱の周りが速いため、強火のままにしておくとあっという間に温度が高くなりすぎるみたいなのです。オムライス焦がしました。

 

_002-4 温まったら中火、うん。わかったよ。なんでもほどほど。ちゃんと使い方勉強しなきゃだめだね。35年目にして思うのですよ。

 

ユニロイに早く慣れようっと。

 

 

 

2020年9月 5日 (土)

いい道具を使え 気に入らない道具を使う人生がもったいない 無印良品とプロキッチンの計量スプーン

最近、やかんを捨てることにしました。結婚して35年経ちますが、その間にやかんを2個買いました。1個目は25年くらい使った後、持ち手のプラスチック部分が割れて使えなくなりました。2個目は10年くらい使ってるわけです。

 

でね。やかんって、日常的にどのくらい使うよ、って話です。まあ人それぞれでしょうね。で、うちはほとんどお茶を飲まないんです。コーヒーはよく飲みます。炭酸水はもっとよく飲みます。でもお茶は、週に1回くらい、奥さんが和菓子を食べるときに、パックのお茶を入れるくらい。となると、やかんを使うこともまずないわけですね。

 

ところが、やかんってあの形状から、戸棚の中にしまうにはおさまりが悪い。そこでレンジ台の端に寄せておいて置くんですが、これがね。汚れるんですよ。料理の時の油はねと言うか油煙というか、微粒子がこびりついて、レンジの熱でそれが乾き、こびりつく。ろくにつかってもいないのに、焦げだけはやたらとつきやすく、年に何度かクレンザーで何10分かかけて磨く羽目になる。

 

そこで気が付いた。この手間は必要か? やかんは必要なのか。この問いに気が付くまで35年くらいかかったんですが、ちょっと試しにやかんを仕舞って、お湯を沸かしたいときには雪平鍋を使ってみようじゃないか。うん。以来、1か月。何の問題もありませんでした。なんだかなあ。この35年間の苦労は何だったんだろうね。

 

道具っていったん買うと、10年20年使うの、当たり前で、当たり前に慣れちゃうと見えなくなることがあるんだなあ。

 

Img_0926  で。最近、キッチン周りの道具を見直してます。一番最近に買って、お気に入りの道具はこれ。無印良品の柄の長い計量スプーン。大290円と小190円。これを2本ずつ買いました。

 

計量スプーンって、計量だけに使うわけではなくて、調味料入れた時にそのまま鍋をかき混ぜたり、味見のとりわけをしたりと、調理の時によく使います。もちろん、そういう作業に普通のディナースプーンを使ってもいいんですけど、ちょっともったいない。きれいに磨かれたスプーンは、使えば使うほど、洗えば洗うほどどうしたって曇りがでてしまいますからね。

 

で、計量スプーンを多用するようになったんですが、そうするとあの100円ショップで売ってるような、3本1セットのぺなぺなの計量スプーンは、ちょっと物足りない。弱いんですよ。煮物をちょっと混ぜたりしようとすると、曲がりますよね。まあ計量スプーンだしね。

 

ところがこの無印の計量スプーンは、ステンレスの厚みがしっかりあって、しかも柄が長いので調理用のスプーンとしても使いやすい。スプーンのボウルの中には、半量を表す刻みも入っていて、大匙1/2も見やすい。ちなみにこの刻みを、奥さんは「無印の計量スプーンの刻みは、ここまでで1さじというしるしなんだ」と言い張りました。お店の人にも聞いてきたら、やはり同じことを言います。でもホームページを見たら、この刻みは1/2量。実際に他の大匙と比べて測ってみても、やはり摺り切りで、大匙1です。この店員さんもそう思ってる「無印の計量スプーンの刻みは、ここまでで匙1つ分」伝説はどこからきたのでしょう。

 

さて。ともかく100円ショップの計量スプーンセットよりはだいぶ高い無印の計量スプーンですが、高いと言っても290円と190円。2本ずつ買っても1000円しない。これは、何十年か使って行くとしたら、かなり満足度の高い投資だと思いますよ。

 

Img_0928 ところで実はこの計量スプーンを買う前に買っていたのがこちら。楽天のプロキッチンというショップで扱っている工房アイザワの計量スプーン大978円、小770円。これは奥さんが見つけてくれたものですが、これを買ってみて、ほう、計量スプーンって100均的なもの以外の高品質ってあるんだ、と目を開かれた商品。すごく品質がいい。とはいえ高いですけど。無印の3倍。これを買った後、無印の商品を見ると、やたらと安く感じます。

 

カップ部分と柄の部分に角度が付いているために、液状のものをすくった後、保持しやすい。というかまあそれは持ち方の部分であるので、好き好きというか、気にいる人もいるしそうでない人もいる。工房アイザワと無印、どっちもいい品物です。

 

それから、こちら。同じくプロキッチンで買った家事問屋の下ごしらえボウル11㎝1210円と9㎝990円。これも奥さんが見つけました。ちょっとお高い。けれど、いい。ステンレスの重みと質感が、大変によろしい。以前は下ごしらえ用の小さなボウルには小さな耐熱ガラスボウル、たぶんハリオだったと思う、を使ってたんですが、これがぼく的には使いづらくて、代わりになるものを探してました。

 

Img_0875 ガラスボウル、薄くて軽いのは、ぼく的にはデメリットでして、扱いに気を遣いました。こういうものに使うくらいだからかなり強いガラスで、割れたことは一度もなかったんですが、やっぱり割れる素材なので、気を遣う。それから、食洗器の中に入れて洗うときに、軽すぎて洗っている途中にひっくり返ってしまう。洗い終わった後に食洗器の中で汚れた水をためたまま、ということが時々ありました。

 

一方このステンレスのボウルは重みがあるために安定していて、洗うときももちんですが、食材やソースを入れている時にも安定してます。無印の計量スプーンを突っ込んでも、カップが倒れることがないので、相性がいい。

 

Img_0882_20200905155201 それにステンレスの質感もいいので、ちょっとしたサラダ的なものを入れる小鉢としても使えます。

 

ただ、問題点としては、電子レンジで火を通したいソース類なんかは、これではできないですよね。別の、そうした時に使う用の小さな下ごしらえボールは必要です。

 

実はこれを買う前に、ニトリでステンレス下ごしらえボウル、3個で190円くらいのやつを買ったんですよ。これでもいいか、ってね。良くなかったです。ガラスのボウルと違って割れることこそないですが、薄くて軽いので、食洗器で洗えませんでした。これでもいいか、って買い方はダメですね。

 

ボウルと言えば、8年くらい前に、チェリーテラスのオールラウンドボウルズ、というボウルのセットを買ったんですよ。これ、まだ現行の人気商品です。セットで2万円とかなりお高いボウルセットですが、たぶん死ぬまで使います。壊れる要素ってないものね。ちなみに35年前に西友かダイクマで買ったボウルもザルも残ってます。なんか気に入らねえなあと思いながら35年。だから、いいものを買っておけって話です。

 

無印良品の計量スプーンはいい。ただ、無印良品のボウルとセットのザルは、どうもなあ、評価できないんです。

2020年2月11日 (火)

老後の備えに冷蔵庫を買い替えた Panasonic NR-F555WPX-X

何か大きな買い物をするたびに人生最後の大物購入、と言いたくなる今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。や、マジで。このところ、いろいろ買い込んだんですが。

 

もうすぐ退職ですからね。退職後しばらくは働き続けるとは言っても、現金収入は減ります。その時代になって、大型家電を買うのは心情的に厳しいよなあ、と思って、手元に現金のある今のうちに買っておこうという算段です。退職前に、計画的に機材を更新しておかなきゃなりません。

 

Img_7855  というわけで、しばらく前から冷蔵庫の更新も考えてました。これまで使っていたのが、2007年に購入した日立の冷蔵庫。見た目がくたびれてきているのはともかく、機能的には問題なく動いてくれています。壊れたら買い替える。普通はまあそうでしょう。

 

ところが壊れたら買い替えるというのは、心配性のぼくには結構がまんがいるもので。12年も使っている冷蔵庫となると、いつも「壊れたらどうしよう」って心配を続けるのに耐えられないんです。実際、壊れて買い替えるものが、たとえば趣味のものなら、1週間くらいなくても平気ですが、冷蔵庫のような生活必需品は、1週間ないのは大変ですよね。

 

おまけに、冷蔵庫って季節によって値段がすごく変動します。洗濯乾燥機なんかと同じです。発売当初の値段から、次の新型機種が出る直前の値段は半額近くにまで下がります。今の家電は、1年や2年型落ちになったからと言って、正直さほど変わるわけではありません。実際、今使っている12年落ちの冷蔵庫だって、機能的に困っているということはないんですから。

 

であれば、たまたま冷蔵庫が壊れて、すぐ買い替えようと思ったときに、高値の冷蔵庫を掴むことになるのは、避けたい。もちろん、その時点で安くなっているものを買う、という方法もあります。ただその場合、自分で機種を選ぶってことはできないですわね。安いものを選ぶ。あれもこれもそんなに変わらんよ。ねえ。それは正しい。

 

ただね。冒頭申し上げましたように、比較的お財布に余裕があって、自分の好きなデザインとか機能とかを選べるもの、もう最後かもしれないじゃないですか。今まで、冷蔵庫はずっと値段優先で買ってきたから、最後の大型冷蔵庫はデザインにもこだわりたい。だったら、ちゃんと値段を調べて、昨日を調べておいて、欲しいものを最安値になった時に買おう。そう思ったわけです。最後の、ってのがちょっと切ないフレーズです。

 

Img_7857 でだ。どういうものが必要かってえと、まず容量。今使っているものが530Lくらいあるもので、いつも野菜室と冷凍室は一杯だから、そこは確保したい。それから、自動製氷。そしてサイズ。現行の冷蔵庫が横幅685mmで、置き場にほぼぴったり。なので、これ以上でもこれ以下でもなく、次期モデルも685mm。そしてかっこいい見た目、色とデザイン。この中で優先順位としては、サイズですなあ。置けなきゃ仕方ないですもん。

 

と、しばらく前から、近所のヤマダ電機で冷蔵庫を物色しておりました。ほうほう、このサイズ的に一番置き換えがしやすいのは、Panasonicか。今まで使っていた日立の冷蔵庫、熱いままの鍋をそのまま冷蔵庫に入れられるらしいが。まあそんなに必要度は高いわけではない。

 

ところで、今の冷蔵庫、ちょっと気に入らないことがありまして。扉表面の仕上げなんですが、使っているうちに、外装の一番外側のフィルムが波打ったようになっています。一時的な保護フィルムかとも思ったんですが、どうもそうではないみたいで。剥がそうとしたら、さらにひどいことになりそうです。そんなこともあって、うちの奥さま的には、日立の冷蔵庫はもういいかな、と。

 

三菱、東芝あたりは、サイズ感が今一つうちの要求に応えられない。となるとPanasonicかあ。パナソニック、値引きが渋いんですよねえ。まあ、しばらく底値を探っていこう。

 

そうこうしておりましたら、たまたまヤマダ電機に小物を買いに行った折、ふとみたPanasonic冷蔵庫が22万円とちょっと。これお安くない? パナソニックのこのサイズだと、普段は30万円以上します。お安いねえ。と見ていると、店員さんが声をかけてきました。聞いてみると、やはりモデル末期。入れ替えだそうです。えー。今年中に買えばいいかなあ、と思ってる感じだったんですけどねえ。うーん。ただモデルチェンジが今の時期だと、次のモデルチェンジは1年後。ならば、買うタイミングかあ。まあ12年使ったしなあ。12年、あっという間だったねえ、などと奥さんと話しながら、よし。ええ、先払いのお財布、夏のボーナス一括払いですよ。ええ。冬のボーナスはもう残ってないですからね。

 

お色。デザイン。うん。白とグレーと、黒のミラー仕上げ。うちの好みでは白とグレーはないなあ。ミラー。いいじゃん。子供のいるうちでは指紋着きまくるから、ちょっと選びにくいだろうけどね。うちの猫は触らないだろうし。ガラス仕上げだから、拭けばきれいになるし。いいんじゃない。ちょっと未来的よね。うん。お隣にはモデルチェンジ後の新型が置いてありますが、さらっと説明を読んでも違いがわからない。店員さん曰く、色だけの違いですって。そんで新型なので10万円アップ。こりゃ旧型を買うよね。ちなみに白モデル在庫5台、ミラー1台、グレーが3台って言ってたので、大急ぎで、ミラーを押さえてもらうことにしました。

 

Img_7858 うちの横では別の家族も同じ機種を検討してましたしね。よし、ミラー取った。搬入は次の日曜日です。おお、早い。サイズ的に今のものと同じなので、エレベーターや通路の心配はしなくて済みます。

 

Panasonicの特徴は、冷やすための熱ポンプ、モーターの位置が、筐体の上にあるということです。日立は筐体の下にあるので、一番下の野菜室がやや狭くなります。パナソニックは一番上の棚が狭くなります。これはこれで合理的。大きな冷蔵庫の一番上の棚は手が届きにくく、見えにくいので、浅いほうがいい。その分、野菜室が大きいので、野菜まとめ買いをする我が家的にはありがたい。

 

ちなみに、Panasonic冷蔵庫は野菜室の湿度コントロールをすることで、1週間は野菜が新鮮なままですってよ。あー、そうなんだ。うん、今の冷蔵庫でも一週間くらいは普通に野菜入れておくけどね。まあさらに鮮度が保たれるということで、期待します。期待っつうのは、実際には自分で並べて比較実験できないですからね。信じるしかないってことです。

 

製氷機の水タンクは、今まで使っていたものより小さいです。ちょこちょこ水を補給しなきゃならんです。が。これは現行の日立のものも同じくらいになっていたので、どこのメーカーを選んでもそんなに変わりません。

 

ただ三菱の製氷機は、水タンクやパイプを全部取り外して、きれいに洗うことができるのに対して、Panasonicも日立も、タンク以外の部分は取り外せないようになっています。店員さん曰く、設計思想の違いで、Panasonicは抗菌樹脂、防カビ対策をしっかりして、そもそも水を入れるだけなら、雑菌が繁殖しないようにしてあるのだとか。うーん、まあそうだろうけど、気持ち的には三菱みたいに実際に洗える方が気持ちいいけどね。

 

というわけで、お買い上げした冷蔵庫が届きます。日立冷蔵庫さんとお別れです。ちょっと寂しい。冷蔵庫って、家じゅうで一番使う家電ですよね。電力的にも。搬入は3人がかりで、廊下のドアもギリギリです。が。同じサイズの入れ替えなので、どんなギリギリに見えても、そこは必ず入るという確信がもてますな。サイズ選び、大事。

 

予め出しておいた冷蔵庫の中身は、1時間まって冷蔵室の中が冷えてから入れ替えます。クーラーボックスに入れてた冷凍品は、12時間後って言われてたんですが、そこまでは待ちきれずに7時間後に入れ替えました。だって、クーラーボックスの方も、そこそこ温度が上がってきてたので、どっちが食品へのダメージが大きいかと考えましてね。もう変わんないかなあ、と。自己判断です。

 

Img_7860 入れ替えてみると、意外なほど余裕があります。535Lから550Lへの増量、パーセンテージでは3%程度の増に過ぎませんが、それどころではない感じ。やはりモーターが一番上にある分、下の野菜室、冷凍室に余裕が生まれていることと、引き出しが奥まで引き出せることで、使い勝手が向上しています。冷蔵室も、一番上の棚の、奥の部分のデッドスペースがなくなったくらいで、これはほとんど影響してません。

 

パナソニックのウリであるナノイーXによる除菌効果は、これは効いてるのかどうかわからない。野菜なんかも、一週間持ちますよ、って言われてますけど、それぐらいは前の日立の冷蔵庫でも持っていました。つうか賞味期限とか消費期限とかって、かなり余裕がありますよねえ。パーシャル冷凍って機能を使えば肉も1週間持ちますよって書いてありますけど、いわゆるチルドだって1週間くらい、使いません? まあぼくは使いました。きっと旧世代の人間なので、菌耐性が高いんでしょう。

 

日付よりも、臭いや色で確かめようよ、とか思っちゃうタイプ。あ。こないだ食品保管庫の奥から見つかったチューブ入りのワサビの消費期限が2年前だったので、さすがにそれは捨てました。

 

ちょっと気に入らないのが、製氷機能で。作られる氷がとても小さい。これ、日立の製氷機も同じくらいだったのだけど、日立の方は大きめの氷が作れる製氷皿と交換することができたんですね。パナソニックのも交換できるといいのになあ。現行日立がどうなっているか、わかんねえですよ。ただ、氷が小さい分、かなり早く製氷できる気はします。

 

パナソニックのお勧め機能「はやうま冷凍」ってのもありますね。中段の冷凍庫にファンを付けて、急速冷凍できるようにしてます。ただ、ちょっと微妙な機能で。いわば冷凍庫の一部を、急速冷凍用として確保しているわけなので、日常的にはそのスペースを空けておくのがもったいない。野菜の急速冷凍をする、と言っても、大量に詰め込めるわけではないので、理想的な急速冷凍をしたければ、かなり手間がかかります。果たしてそんだけ手間をかけるか、そのために貴重な冷凍スペースをずっと維持しておくか。ってことです。昨日見たら、冷凍ご飯保存場所になってましたね。

 

外面の満足度ですが。まあ、どうなのかな。ミラー仕上げは良くも悪くも存在感あります。ミラー面に指紋を付けないように、ドアの上下部が把手になってるんですがね。やっぱり把手以外の場所も掴んじゃいますよね。そこはやっぱり少し気を遣います。立派ですけどね。欲しかったんですけどね。ミラー仕上げ、どうなのかなあ。ってことで。

2018年8月27日 (月)

博多はうどんだろう

Img_0024_4 それでは福岡です。

 

長崎から高速を使って一気に福岡に向かいます。ほんとは、糸島とかTwitterで見るあたりの素敵なサイクリングコースも走ってみたいんですが、時間がギリ。今日はレンタカーも返却しなければいけません。ゆったり感がねえというか、時間に追われるというか。詰め込みすぎですな。もう少し日程をとれればいいんですけどね。白猫と三毛猫が留守番してると思うと、あまり長い旅ができねえです。

 

さて。福岡。福岡市と博多って何が違うのよ。別の街なの、という程度の認識ですが、そんな私でも知っていることがあります。博多には屋台街がある。というか、奥様はむしろ「博多の屋台街」に行くために九州に来たかったらしい。テレビでねえ。よく見ますよ。博多の屋台、白熱灯(色)のライト、赤ちょうちん。温かな年配の主人、笑いあうサラリーマン。新橋のイメージより、もう少し遊園地的な感じですかね。たーのしそうー。

 

Img_0021 Img_0022 とりあえずホテルに荷物を置いて、中洲の屋台街に繰り出しましょう。今日のホテルは法華クラブ福岡。ビジネスホテルの中ではちょっと品がいいイメージです。普段安いビジホしか使えないですから、このささやかな高品質感がなんとなく嬉しいのです。法華クラブ福岡のお部屋は、ビジネスホテルとしては十分な広さ。それになにより、バスルームが臭わない。いや、コンフォートホテルの名誉のために言うと、コンフォート前橋は臭わなかったし、とても快適。臭ったのはコンフォートホテル長崎限定の話です。

 

Img_0026 ともかく。中州だ中州。まだ明るいけど、暗くなると混んでくるのは目に見えてます。屋台なんて席の数が限られているんだから、早く行くに越したことはない。奥さまは事前のチェックで行きたいお店が決まっています。それも、やっぱりハシゴしたい。まず一軒目は「やまちゃん」です。ここはラーメンのほか、牛すじ煮込み、串焼き、牛タンなど。私の付いた時刻はまだ明るい6時ごろでしたが、既に店は満席。でもお兄さんの案内で、すぐ席が空きますよ、と。確かに10分も待たないで入ることができました。

 

博多ラーメンと長浜ラーメンはもともとは別のものだったらしいですけど、今は入り混じっちゃって、よくわかんなくなってるみたいですよ。白濁した豚骨スープ、極細ストレート麺、紅しょうがのトッピングなど同じですもんねえ。もうこうなってくると店ごとの違いの方が大きかったりします。と言っても、何軒もラーメンを食い歩けるような腹はありません。

 

Img_0038 Img_0032 とりあえずレモンサワー。そしてすぐに出てくる牛すじ煮込みを頼みます。次、なに食おうかなあ。ってメニューを見るんですがね。テレビだとあれもこれもっていろいろ変わったものがあるじゃないですか。うん、あっちの店、こっちの店って映像を重ねてくるからね。でもね、屋台なわけですよ。厨房もなにも、屋台スペースでやるわけですよ。そんな食材、道具をそろえられるわけじゃない。

 

ああ、博多の屋台はきちんと営業スペースとして排水や給水、電源などを確保しています。だからタイの屋台みたいに水を溜めた洗面器で食器を洗ったり、ぬるくなった肉を地べたで焼いたりするわけではありません。衛生面で心配することはないでしょう。だけど大型冷蔵庫があるわけではないし、コンロも何口も用意できるわけではない。となると、一つの屋台ができる料理には限りがあります。ビールサーバーも置けないし、グラスを冷やしておくこともできない。レモンサワーを注文すると、横においてある発泡スチロールの保冷箱から-196℃を出してきて、氷の入ったグラスに注ぐ。まあ、普通の居酒屋さんでも同じようなことをしてるところは多いはずですが、目の前でやられると、うん、これがいくらで、とかは考えます。

 

Img_0053 屋台の料理ってけっして安いわけではない。むちゃくちゃ高いわけでもないけど、ちょっとお高め。牛筋煮込み700円。焼き鳥5本で1000円。ちょっとだけ高い。焼き鳥かあ。まあ焼き鳥は食わなくてもいいかな。うーん、ってメニューを眺めます。うーん。いざ来ると、なかなか食いたいものがないものだね。とりあえずラーメンは食っておこうよ。でも、一人一つではもうおなかがいっぱいになるから二人で一つ。

 

さてと。どうしようかな。じゃあ次に行くか。つまりですね。屋台って長居するところじゃない。これ、基本は立ち飲み屋とかと同じと考えた方がいい。ゆったりくつろぎながら、おいしい料理を食べ、楽しく語らう。それはまた別のお店の役割。ああ、だから案内のお兄さん、すぐ空きますよと言ったんだな、と納得しました。その後も省ちゃん、風来坊と河岸を変えました。

 

この日の博多は酷暑も緩んで、夕方が生暖かいていどでね。川沿いのそぞろ歩きも夏の風情を楽しむ余裕がありました。

 

Img_0059 あ。やっぱり外国人、やたら多い。おおむね屋台の中の半分が中国人、まれに韓国人。欧米系の外国人は、外から見物してる感じの人が多かったですかね。そして残りの日本人も我々のような観光客。まあなんだつまり。博多の屋台もすでに観光資源なんですわ。地元の店の雰囲気と味を楽しむなら、むしろ街の中のお店の方がいいのかもしれません。法華クラブ福岡まで歩いて帰る途中にあったお店を眺めながら、そんなことも考えました。

 

ところでね。法華クラブ福岡推しなのには理由がありまして。まず臭わない。まあそれはともかく。清潔感がある。でね。大浴場があるんですよ。さすがにいろいろと問題があるので写真はとってませんが。ビジネスホテルのバスルームってねえ。バスタブがありますけど、みなさんお使いになりますかね。私は使わないです。お湯をはるのが面倒ってのもありますけど、あのシャワーカーテンがね。気持ち悪くて長くいたくない。ほらシャワーを出すと、その気流に巻き込まれてシャワーカーテンが内側に寄ってくるじゃないですか。そんでぺたっと体に張り付く。ああ気持ち悪い。おまけに、あの体を洗った後の浴槽のお湯が抜けるまで待つとか、面倒くさくてしょうがない。

 

ビジネスホテル自体は気楽で好きなんですけど、バスだけは嫌だな。そこを解決してくれるのが、最近増えている大浴場付きのビジネスホテルです。有名どころではドーミーインとかスーパーホテル、アパホテル。アパホテルもスーパーホテルも、まだ泊まったことがないんですが、ドーミーイン高崎。ハルヒルの時に使ったんですけどね。なんかやたらと高かったなあ。ふたりで22000円だったかな。ビジホの値段じゃねえよ、と思ったのは覚えてます。お風呂は、よかったんですけどね。

 

Img_0066 ともかく。法華クラブ福岡の大浴場は地下にあって、地味ですけどね。部屋の狭いバスルームを使わなくて済むだけありがたい。

 

朝食バイキング1200円もビジネスホテルとしてはかなりの充実ぶり。福岡名物の胡麻サバもあれば、明太子もある。和定食でご飯をモリモリ食べたくなります。白飯はそんなに食べないですけどね。今回の旅で、気持ちの良いホテルの№2です。あ、一番は当然、心乃間間です。値段が違う。45000円と比べちゃいかん。しかしそうするとコンフォートホテルは高かったなあ。

 

さて。帰りますが。まだ食ってないものがある。福岡と言えばうどんですよ。ラーメンじゃない。うどんです。福岡のうどんと言えば、ふんわりもちっとした麺とすこし甘さの入ったあご出汁のつゆ。ごぼ天ですわ。武蔵野うどんも大好きですが、その次くらいに好きなのが博多うどんです。まあだから、個人的な日本三大うどんと言えば、武蔵野うどん、博多うどん、大阪うどんでしょうなあ。その後に続くものとして讃岐うどん、あとはまあ水沢うどんとか稲庭うどん、伊勢うどんや五島うどんなん、氷見うどんてものもあるらしいですけどね。最後の3つは食ったことないです。あくまでも、私好みの三大であって、消費量とか認知度とかは知らんです。ああ、きしめんやほうとうはうどんではなくきしめんの一番、ほうとうの一番だと思ってます。

 

博多うどんを関東で食えるお店として、博多うどんチェーンのウエストが一時期、関東でもがんばっていたんですけどねえ。3年程前かな、ほぼ撤退してしまいました。超残念です。ともかく、ウエストももちろん福岡で食えるでしょうが、ここは個人店に行きたい。

 

Img_0070_2 Img_0075_2 ということで、博多駅近くのうどん平。飛行機までの時間があまりなかったので、開店時刻前に着くようにしたんですが、それでこの行列。わお。そんで並んでいる人の1/3は外国人、やっぱり主に中国人。インパウンド恐るべし。あるいはインターネット恐るべしですよ。どんな小さな観光名所にもやってきます。

 

うどん平の肉ごぼう天うどん。ウエストよりつゆの甘味が弱く、好みとしては馴染んだウエストの方が好きですが、ごぼ天の衣のばりっとした感じはこっちかなあ。今回行けなかった別のチェーン店牧のうどんも行ってみたかったなあ。歳をとると食べる量が限られてしまうのが残念ですなあ。とはいえ、旅行を終えた私の身体はしっかりと2㎏の脂肪を蓄えておったのです。

 

知ってると思いますがね。4日で増えた脂肪は、4日じゃあ減らないのよ。まあしゃあないですわ。美味しかったからね。今度はどこでふくよか活動をしましょうかねえ。

2018年8月22日 (水)

軍艦島に行ったあと長崎でなに食おう 長崎ちゃんぽんだよな

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ああ、長崎に向かう前に、阿蘇の草千里は見ていかなきゃならんです。まあ見るだけだけどね。うん。それから熊本市で食った太平燕(たいぴーえん)。豚骨ラーメンに似てますが、麺が春雨。熊本の名物らしいです。えーっと、麺が春雨の豚骨ラーメンの味です。まあそうだわね。いやさて。大急ぎで食って、フェリーふ頭に向かいます。計算だと、乗船時間ぎりぎり間に合うはず。いっけえ。

 

間に合いました。あっぶねえ。高速フェリーで長崎につき、雲仙普賢岳を横目に見ながら、長崎に向かいます。雲仙普賢岳も我々の世代だと、あの強烈な噴火が記憶に残ってるんですが、今回は立ち寄る暇がありません。ひたすら長崎に。

 

長崎ってえと、まあ出島だとか中華街だとか、いろいろあるんですけどね。奥さまが一番行きたかったのは軍艦島。なぜか軍艦島に前のめりです。まあね、私もちょっとはなつかしさって感じがね。あります。もちろん軍艦島に住んでたわけじゃなく、テレビで観る軍艦島の生活、昭和の高度経済成長期を思わせるわさわさした風景には郷愁を感じるってことですがね。

 

Img_9904 ただ長崎ってことで言うと忘れちゃいけないのが、被爆地としての長崎。これはねえ。行かなくても見なくても、もう十分につらいから行きたくねえ見たくねえ場所です。ただね。やはり日本人として見ておかねばならん場所だと思います。覚悟を決めて、行ってきました。いろいろとね。そうですね。知覧の特攻の記憶とともに、大変に苦しい経験でありました。

 

さて。それはそれ。ホテルに荷を置いて、飯を食いに行きましょう。泊まっていたホテルはコンフォートホテル長崎。コンフォートホテル長崎。んー。コンフォートホテルって前橋に泊まったことがあるはず。悪い印象はないです。

 

ちょこっと話がずれますが。ビジネスホテルの印象が悪いところって、まず臭い。たばこ臭かったり黴臭かったり。それからもちろん部屋が薄汚れてる。例えば壁紙の一部がはがれたままだったり、水回りの掃除の跡が残っていたりとか。暗い。部屋が狭い。まあそれらの多くは値段なりなんですけど、同じ値段、同じ立地でこんなに違うんだ、ってのはありますよね。

 

Img_9909 そこらへん、出張族の皆さんのデータベースが欲しいところですよ。で、コンフォートホテル長崎。見た目は悪くないです。部屋は広いし、ベッドも広い。どこだっけな、奥さんに付き合ってもらって自転車遠征したときに、ダブルベッドの二人部屋しかとれなくて、しかもこれセミダブルだろうってくらいベッドが狭くて、二人ともすっげえ気を使って眠れなかったことがありましたけどね。その点、コンフォートホテル長崎、広いです。足元で荷物を広げるスペースも十分以上に取れます。問題は、トイレが臭う。いや、特段不潔だってことじゃないです。ただバスルームの換気が換気口頼りなんですよ。換気扇じゃない。こもるんです。湿気も臭いも。黴臭いような、尿臭いような。なんだかほんとに場末の古いビジネスホテルのようなにおいがする。部屋を変えてくれないかって言ったんですけど、全館同じですって言われました。ぜんぜんコンフォートじゃねえなあ。まあ、お安いんですけどね。

 

ま、しょうがない。あまりバスルームを開けないようにしましょう。で。何を食うかですがね。

 

ここんところいうまでもなく食いっぱなしです。私はこの食う活動を、ふくよか活動と称しておりまして、ほらなんとなく儚く優しげではありませんか。しかしですよ。ふくよか活動を続けたいと思っても、胃の中に何となく昼に食った太平燕の豚骨スープが残っている気がするんですよ。さすがにもう長崎ちゃんぽんはねえなあ、と。

 

Img_9911 Img_9918 まあじゃあ地のものが食える居酒屋にでも行こう、と。ホテルの近くを検索していたら、お任せで料理を出してくれる福来魚(ふくらぎ)というお店を見つけました。注文はお任せ。お任せいいねえ。お好みだとどうしても自分の知ってる料理、例えば唐揚げとかね。焼き魚とかね。なっちゃうもん。

 

この日はお盆の前ということもあって、たまたま他のお客さんは一人しかおらず、ご主人と明日行く予定の軍艦島の歴史などを話したりしながら、おいしい薩摩焼酎をいただきました。魚うめえなあ。おひとり様6000円。

 

さて。軍艦島に行こう軍艦島。まあ今更なんですが、軍艦島は軍艦とは関係ないです。島の形が軍艦に似てるってだけで。もちろん栄えた時期は戦争の時代とも重なってますけど、要は島をベースにした炭鉱です。炭鉱ですから、石油が産業の中心となり、石炭が求められなくなった時代に、一気に閉山しています。夕張炭鉱やら三池炭鉱、その他の炭鉱で栄えた町と同じですが、ここの特殊性は、場所が島だったってことですね。小さな島の上にたくさんの人を乗せるために高層建築が立ち並んだ。その風景が、郷愁を誘うんでしょう。ただ、人がいなくなった街はあっという間に朽ちていきますし、まして海風にさらされ続けている。常に崩落しているような場所ですから、勝手に立ち入ることはできません。

 

長崎市が許可を出している観光ツアー以外で、軍艦島には上陸することができませんし、それだって入れるのは危険が少ない限られた管理道路だけです。軍艦島に行くツアーは何社かから出ているようですが、船の大きさやツアーの内容なども少しずつ違うようなので、よく調べましょう。私は奥さんに任せているので、大船に乗ったつもりでどんとこいです。

 

Img_9941 Img_9940 というわけで、今回奥さまが選択したのはやまさ海運という会社の軍艦島上陸周遊コース。ネット予約でチケットはとっていたものの、実際は窓口で申込書を渡さなきゃなりません。とはいえネット申し込みだと4200円の料金が最安3300円まで値引きがあるので、お得です。座席は早いもの順なので、受付に一番で行ったもん勝ちです。うん、一番乗りしましたよ。てかまあ、たまたま朝早く行ったら、受付一番になっただけですが。せっかく一番になったので、その後、すぐに桟橋に向かいます。ほかにはまだ誰もいません。なぜなら。なぜならとっても暑いから。あほみたいに暑いからです。しかし、せっかくの一番なので20分前から桟橋に並んで待つことにします。くそ暑いです。

 

船にはエアコンのきいた室内と、デッキ席があり、右側がお勧めということなので、室内右側見晴らしのいい席を確保します。まあ、これは良し悪しで。船の窓ってそんなに透明度が高いわけでないので、気候さえよければデッキ席の方が気持ちいいと思います。

 

ま、ともかく。船内スタッフ、なんかこういう観光船にありがちな緩い感じではなく、けっこうちゃんと安全管理に目を配ってます的なしっかりした運営をしてます。さすが軍艦島です。なにがさすがか知らんけど。船内では軍艦島の歴史DVDが流され、運航が開始されてからも長崎港の様子、見えるものを丁寧に説明してくれるので、なかなか興味深い。前のほうに欧米系の外国人の方が乗ってましたけど、残念ながら英語のアナウンスはなくて、困った感がありました。ここは運営の頑張りどころでしょうなあ。

 

船に乗ってるのは片道30~40分ですかね。軍艦島上陸後はお休みどころもトイレもないので、帽子をかぶってトイレも済ませておくよう、丁寧にアナウンスがあります。日焼け止めもしっかりしておいた方がいいですな。日影がない。あ。日傘、禁止です。

 

Img_9991 Img_9967 まあとにかく天気が良くて、海が青くて、くずれかかったビル群の間から伸びている植物がラピュタ間を醸し出しています。ぜひラピュタに出ていたロボットを置いていただきたい。ロボットに管理をさせていただきたい。まあそんな妄想をしながらですね。限られた管理道路を歩き、ポイントポイントでガイドの方の説明を受けます。そこしか歩けないの、って感じもしますけどね。実際見ると、あっちこっちも崩れかかっているので、十分ですよ。危なくてしょうがねえ。

 

あんなビルの上、洞窟軍みたいになっているところで、男たちが石炭を掘り出し、女たちが生活し、子供たちが遊び勉強していたんだなあ、と。昭和の時代に思いをはせます。

 

Img_0012 Img_0013 さて、終わった。飯だ飯だ。飯を食おう。昨日はとてもちゃんぽんなんか食う気になれなかったんですが、一晩おくと腹が減ってきました。やっぱそうなるとちゃんぽんと皿うどん、食うしかねえ。あちこち探して、こちら。観光客でにぎわう四海楼で。まあちゃんぽんと皿うどんですよ。うん。まあ。どうもこうもねえ。ちゃんぽんと皿うどん。あ、すごい混んでますけど、意外と回転が速いです。みんなちゃんぽんと皿うどんですもんね。加えて、観光客慣れしてるのでオペレーションがいいんでしょう。まあ悪い選択じゃないです。


 

Img_0110 Img_9906 ついで。長崎土産には埠頭近くで津田水産という干物屋さん。で、かなり大量に買い込んで、送料込みで5000円。これはお勧め。美味しいし。またさらに近くにある文明堂総本店のかすてら。東京の文明堂とは違う会社らしいですよ。発祥は同じようですが。長崎ならでは、って感じがしませんかね。しかも二つの店が近くて便利。うん。いい買い物をした。

2018年8月19日 (日)

南阿蘇村 心乃間間(このまま)は大人の嗜み

Img_9768 阿蘇に向かうです。

 

奥ちゃんに今日の晩ごはんなにって聞いたら、フレンチっていうので、がっかりして魚を食いたいって言いました。

 

さて。ということで、鹿児島市内にいったん戻りましてね。とりあえず桜島見たい。桜島。いや、きのうも欠片くらいは見かけたのだけど、ばたばた動き回っていたので、落ち着いて見られてない。桜島みたい、鹿児島に来たんだから桜島。というわけで、桜島に向かうことにしました。しかし夜には阿蘇にいなきゃならない。かなりバタバタ。でも鹿児島港から桜島まで20分おきにフェリーが出ているということで、ちょいとフェリーで往復したれ。ということです。

 

行ったからといってどうということはないけれども、行かないと後悔する。きっと。というわけで。おお桜島だ。と言ってもやはり桜島についたからと言って何かあるでもなく、今この瞬間に噴火を始めたらそりゃあ怖いわな、と。上の方がかすんでいるのは雲か噴煙か。素人さんにはよくわかりません。とりあえず降りた場所にあった酒屋さんで記念のおすすめ焼酎を買いましたら、埼玉のベルクというスーパーに普通に並んでいたので、まあそれはそれで話のネタになるかという前向きの捉え方ができるので、SNSとブログ偉大。

 

Img_9778 Img_9783 さて。飯。魚食いたい。検索したところ鹿児島の水産市場の中にある市場食堂が一般にも開放されているらしい。これは食っておこう。ああもちろん鹿児島ラーメンという手もあるにはあるけど、やっぱり九州に来た以上は魚を食わんわけにはいかんばってん。これ言うと奥さんに変な言葉使うと九州の人に恥ずかしいよ、と叱られます。

 

で。市場には新港食堂と市場食堂という2店が並んでおりますが、特に理由もなく、今回は市場食堂に。いや、そもそも次回があるのかという問題はさておきまして。とにかく市場食堂。ああ、お寿司もあるのか。そりゃあ生魚を食うなら寿司もありだな。煮魚もいいけど、寿司はいいな。うん。寿司。あ、でも市場の食堂と言えばアジフライ定食も食いたい。冷凍ものじゃないふっくらとしたアジで作ったアジフライの定食。捨てがたい。

 

Img_9784 Img_9785 となると、寿司を頼んで、アジフライは単品で追加しましょう。奥さまはバラチラシを頼んでおります。

 

寿司ですが。江戸前鮨の基準で計ってはいけません。まず寿司屋ではないです。市場食堂の寿司のランチです。しかも鹿児島水産市場。鹿児島。江戸前からはるかに遠い南国。つまり、味付けの好みが関東とはだいぶ違います。まず酢飯ですが、甘い。関東のように赤酢だけで作った、さっぱりとしたものではない。さらに醤油。九州のしょうゆは甘い、と言いますが、まさにそれ。魚は熟成して身がとろんとしたものではなくて、まだ硬直が解けていない新鮮なもの。こうなると、これはどっちがいいとかではなくて、南国鹿児島でこの地の好みに合わせて生まれた味。鹿児島ならではの寿司である、と。サーモンは鹿児島産じゃねえな。しょうがない。日本全国サーモンは席巻していますからな。満足です。

 

さて。阿蘇に向かうんだった。鹿児島終わり。熊本へ向かう。阿蘇。

 

高速道路を熊本でおりて、豊後街道を阿蘇に向かいます。が。阿蘇の外輪山の手前で、豊後街道は寸断されてます。そうです。熊本地震から2年が経ちましたが、まだ完全には復旧していないのです。レンタカーのナビでは寸断された道路状況がよくわからず、とんでもなく行き止まりに案内されます。グーグルナビを合わせて使い、迂回迂回を重ねて、ホテルのある方向に向かいます。が、そもそもホテルのありかがよくわからない。電話番号でも住所検索でも出てこない。おい。

 

今日のお宿は「心乃間間(このまま)」というところですが。どうやら隠れ家っぽいお宿らしいよ。ポイのはいいけど、ほんとに隠れてるんだよ。車一台がようやく通れるような小道を、ナビが案内していきますが、もしここで対向車が来たらどうにもならんだろう、という極限の小道。ホテルねえじゃん、もうおいちゃん泣きそうだよ。とつぶやきつつ車を走らせていると、奥さんが「看板あった!」と。ええ、全然見えなかったよと返しつつ、バックして戻ると、A3サイズ程度の茶色い看板が、茶色の草むらの中に立ってます。おい。目立たせないなら看板じゃねえよ。とりあえず行くけどよ。

 

さらに小道を上がっていくと、駐車場らしき場所が見えました。てか、そもそもここにも何台も停められないだろう、と思いつつ、この裏口じゃなくて、正門はどこだよ、と。とホテルのスタッフが荷物を下ろしに来てくれます。ここ以外の入り口はあるんでしょうか。はい、そこだけになります。っておい。完全に隠れ里です。みなさん、こちらに来る際に不安になるかもしれませんが、ここはそういう場所です。諦めてください。

 

Img_9825 Img_9793 しかしね。まあしゃあないですわ。という気にさせられるお宿です。ただハードルもありますな。完全禁煙で、それから大人専用です。うちみたいな上品な初老の夫婦にはありがたい。うむ。上品だからな。宿の進入路のところで、気取ってんじゃねえよわかんねんだよ入り口が、などと言ったりしたことはありません。

 

Img_9809 Img_9805 今回のお部屋はメゾネットタイプで、一階にリビングとお風呂、二階が寝室になってます。しかもお風呂は内風呂と露天、二つが付きます。まあ二つ同時に入るんかい、ということはあるかもしれませんけど、なんか豪華じゃん。ごーうかじゃん。ねえ。で、ね。このお風呂の水、というかお湯が美しい。

 

ぼかあ温泉マンじゃねえので、うちだってお風呂マンじゃなく、銭湯は好きだけど、別に湯船になんかつかんなくてもいい。サウナと冷水風呂があればいい。すっきりしたいだけなのよ、と。そうなるとですね。硫黄の匂いのする白濁したお風呂とか、黄色い塩水風呂とか、そういうのには全く興味がなく、いやあこのお湯、とっても柔らかい、ほら入っただけで肌がつるつる、とかはどうでもいい。それよりは透明感ですよ、透明感。

 

ここのお風呂、青いの。ほら湧水とか。透明感の高い池とか。青く見えるでしょ。あれです。お湯なんだけど清冽な透明感。薬効成分がどうたらとか、どうでもいいの。この透明感が私にはとんでもない極楽感をもたらしてくれます。できることなら柿田川湧水群の湧水池にも飛び込みたいけどたぶん冷たすぎるし、きっと観光協会の人にも怒られる。その夢をかなえてくれるような澄んだお湯。内湯は少しぬるめだったので、ここでちょいと慣らして、それから露天に出る。熱すぎずちょうどいい。

 

Img_9814 Img_9819 二階の寝室には横長の広い窓があって、まるでスクリーンのように開けている。阿蘇の内輪山が見え、雲が流れ、日が陰っていく。

 

さて。晩ごはん。イタリアンです。イタリアン。フレンチじゃないじゃん。やっほう。いやフレンチが悪いわけじゃないんだけどさ。まあ好みです。

 

Img_9836 Img_9834 御酒をいただきましょう。イタリアンにあうスパークリング。地物の野菜が美味い。このごろ野菜好きなんで、新鮮な地物の野菜を使った料理は、しみじみと美味いと感じます。肉も出ますし、おいしいですけどね。でも野菜を上手に使った料理がおいしいと、いやあ幸せだわ。

 

朝になると、窓の外にパノラマが広がっている。さっきまで見えてた山に、あっという間に霧がかかる。移り変わりが美しい。さすがは阿蘇だ。と朝ごはんの時にスタッフと話していたら、いやあこんな天気、このところだけですよ、ちょっと天気がおかしいですよねえ。はい。異常気象は関東だけではありません。

 

Img_9862 朝ごはん。美しいし、無駄がないし、おいしいし。こんなきれいな朝ご飯は初めて食ったよ、というくらい。心乃間間、すごいなあ。作った人の思いがこもっている。ずっといたいけど、年に一度のご褒美だからいいんだろうなあ。ただ心乃間間でこのままって読ませるセンスは、どうかなあ。いやまあ。

 

さて。長崎に向かうよっ。

2018年8月16日 (木)

九州にハンバーガーを食べに行ってきた caféサンデイズシスコ in鹿児島県湧水町

Img_9638 ぼくは おかあさんと きゅうしゅうに いきました。きゅうしゅうで はんばーがーを たべました。おいしかったです。

 

というわけでね。九州は鹿児島県湧水町にあるcaféサンデイズシスコに行きましょう。サンデイズシスコは、鹿児島空港から車で30分ほどのところにあります。鹿児島までは羽田から1時間半。東京にお住まいの方なら2時間もあれば大丈夫です。秩父に行くのと変わりません。まあちょっと待ち時間があるかもしれません。

 

今回、移動はレンタカーです。九州はいろいろと有名な列車もあるので、乗ってみたいのですが、予約が取りづらく、日程と合わないのであきらめましょう。私はここのところ、レンタカーは必ずニッポンレンタカーで、スバルのレヴォーグを借ります。アイサイト信者ですからね。旅行先で事故を起こすリスクは少しでも下げたい。今回借りたレヴォーグ、ちょっと古めで、あちこちに小傷があります。やあねえ。この先の旅が、なんか不安になります。アイサイトついてるのに、どこで傷をつけてきたんだろう。ま、いいや。

 

Img_9643 なんで鹿児島までハンバーガーを食いに来ることになったか、ってことですね。事の起こりはTwitterです。Twitterは、基本は自分でフォローした方の発言がこちらのタイムラインという画面に表示されてくるんですが、どなたかの発言、引用の中に、ぶらばにさんという方の発言が出てきたんです。なんでも、コンテナを買って、カフェに仕立てようという計画を現在進行形で進めてらっしゃる。しかも鹿児島で。

 

コンテナ。船舶に積み込む、あの巨大な箱ですよ。まあ確かに、たまにそこらへんの山の中でも、コンテナを荷物置き場の倉庫のようにしてるのを見ることはあります。ありますけど、あれでお店をやる。ほう。面白い人だなあ。と、いうことで軽い気持ちで、ぶらばにさんをフォローすることにしたのです。

 

そうそう毎日作業が進むわけではありませんが、今日は土地を見に行った、整地をした、コンテナの買い付けに行った、コンテナの良し悪しってのはどうだ、って話があり、少しずつ進んでいくわけです。私の頭の中にも、見たことのないぶらばにさんが、見たはずのない山間の土地にコンテナを置き、敷地の雑草を抜いたり、コンテナの塗装をやったり、頭の中にシムシティのように店ができていくわけです。

 

Img_9650 また趣味がなんとも素敵で、ちょっと昔のオートバイをレストアしたり、小さなイタリア車を買い付けたりして、これは相当センスがいいお店ができるなあ、と頭の中のシムシティを更新します。時々Twitterには、お店で出す予定の料理の試作もアップされてくるのですが、これがまたセンスが素敵。たまに分厚いハンバーグのパティを分厚すぎるベーコンとチーズで挟んで、さらにパティでサンドしました、みたいな肉の化け物を作ったりもしてましたが、それとても写真が美しい。美味しそうなんです。食ったら絶対胃もたれするけど。ともかく。だんだんできていくなあ。

 

ところが、ある時点から、ぶらばにさんの発信がとんと少なくなりました。特にお店関係の発信がない。まあ普段のオートバイや車の発信も、面白いんですけど。それ以前にぶらばにさんの発信が少ない。あるとき気付きました。ぶらばにさん、名前変えてる。

 

Twitter上の名前は、○○@□□という形になっているんですが、前半の○○部分は自分でいつでも勝手に変えられます。でも、ここ、普通は変えません。自分のアイデンティティみたいなもんじゃないですか。顔みたいなもんです。ところがぶらばにさんは、ここをちょいちょい変えます。タイムライン上に発言してても、ぶらばにさんと認識しないで流してたみたいなんです。ご本人の承諾得ないで、この文章を書いてますから、今の名前は出しませんけど、出してもまたすぐに変えるでしょう。

 

Img_9647 ともかく、そこに気付いたんで注意してみてると、どうやらお店は順調に進んでて、お店からの発信もしてるっぽい。ただ店の名前も、場所もわからない。だけど、鹿児島ってことと、コンテナのカフェってことは判ってる。そうそうあるもんじゃないでしょう。検索をかけると、わりとすぐに見つかりました。鹿児島県湧水町にcaféサンデイズシスコってお店がある。このお店の感性、店の前においてあるオーナーの車、これぶらばにさんだ。

 

よし、caféサンデイズシスコ、フォローする。

 

まあね。実はこんなめんどくさいことをしなくても、Twitterにはフォローしている同士が直接メールでやり取りすることができるダイレクトメールって機能があります。ぶらばにさんに直接DMを送ればいいんですけどね。でもなんか、ねえ。知らないおじさんが興味本位でどこまで尋ねていいことなのよ、って、遠慮があるじゃないですか。迷惑かもしれないしぃ。

 

でだ。奥様と夏の旅行をどうしようか、って話になりまして、九州ってまだ行ったことないね、と。じゃあ九州に行こうか。うん。九州ってことでいうとね、二つ行きたいところがあるんだけどねえ。その一つが、ぶらばにさんがやってるcaféサンデイズシスコ。ここ見てごらん。美味しそうなハンバーガーでしょう。ねえ、行っていいかな。

 

ということで。今回、九州旅のメインが決まったわけです。Caféサンデイズシスコでハンバーガーを食べる。これです。

 

車を走らせていると、わりと見通しのいい場所、広めの駐車場に何台もオートバイが止まってます。見たことのあるイタリアの車もあります。そしてカフェ。これ、コンテナか。コンテナみたいだな。屋根付いてる!ウッドデッキがある!あー、これ脳内のシムシティでは付けてなかったわ。

 

Img_9667 中に入る。広々してます。コンテナなので幅はコンテナの幅なんですけど、組み合わせることで奥行きと広がりの両方を生み出しています。先客が数組。お昼前なのでまだ空いているみたいですね。しかし、キッチンの奥で男性が忙しそうに調理してます。声をかけるかかけないか、迷ったんですけどね。いやだけど、ここまで来たら、声かけないと後悔します。

 

ぶらばにさん、ぞうじるしです。ぶらばにさんの目がおぅっと開きます。一応認識されたみたいです。ああ、開店一周年(だいたい)のお祝いもなんもねえや、手ぶらだわ、と思いつつも、忙しそうなのでとりあえず席に着きます。テーブル席なんですが、奥さんと並んで座ります。なぜかってえと、並んで座ると窓が一面に広がって、見通しがいい。暑い日だったんですけどね。空が青くて、緑が濃くて。そりゃあ気分がいい。何を頼みましょうかかね。とりあえずやっぱりハンバーガーでしょう。メニューにはTwitterで見ていたセンスのいいハンバーガーが並んでいます。どれも食いたいですけどね。もうハンバーガーを二個食える歳ではありません。

 

Img_9659 Img_9661 8月限定販売中のローストイベリコ豚のバーガー1100円。食べてみたかったオニオンリングも付いている。ピクルス。ちゃんとしたやつです。イベリコ豚のロースト、脂が強い。旨味でもある。少し塩が強いけど、脂の甘味と合わさってバランスをとってます。で、これを受け止めるバンズがしっかりと、歯ごたえのある、がつんとしたやつで。合わせて頼んだメープルシナモンラテ。世の中にはこんなおしゃれなものが存在するのか、と。甘みがさっぱりとしてメープルの香りがほんのり。シナモンフレーバーが控えめに絡んできます。これはね、ハニーカフェオレを出している某大手コーヒーチェーンの某ドトールさんも勉強しに来い、というレベルです。

 

Img_9656 Img_9664 ただ敢えて言えば。奥さんが飲んでたおしゃれな瓶に入っていたようなおしゃれな瓶グラスに入れてほしかった。まあおっさんだから、かわいくなくてもいいですけどね。奥さんの頼んだ湧水ナスのイタリアンハンバーグも、肉の旨味に茄子の旨味が乗っかってくる感じで。ああ、これがぶらばにさんが作りたかったお店の味かあ、と。

 

窓を見ると、湧水町の緑と空が広がっています。ああ、いい店だなあ。いい店だ。また来たいなあ。今度はもう少し暇な時間に来て、ぶらばにさんと話をしたいなあ。と名残を惜しんでいましたら、ぶらばにさんからカフェアフォガードのサービスをいただきました。なんとありがたい。

 

次に鹿児島に来られるのは、いつになるか。でも、鹿児島に来たら、またcaféサンデイズシスコに来ます。私ももう歳だけど、ぶらばにさん、またおいしいハンバーガー、食べさせてくださいね。

2018年2月12日 (月)

リンナイ ココットプレートって意外といいよ グリルパン的なもの

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なんか名前、かわいくねえスか。ココット。ちょこっとかわいい。うん、なんでしょうね。よくわかんないけど、ガスレンジ台にあるグリル、魚焼き器の中に入れるフライパンみたいなものです。なーんだ、って感じですな。こんなもん、何に使うんでしょう。

 だいたいね、グリルって要するに魚焼き器でしょ。サンマ焼いたり塩サバ焼いたり。網でいいじゃん。別に。ね。わざわざフライパンみたいなものを乗っけて、肉とか焼かなくてもフライパンでいいじゃん。オーブンでいいじゃん。ねえ。

 つうか、そもそもグリルの使い道というか特性を考える必要があります。昔の、とか今でも普及機レベルのガスレンジに付いてるグリルは、庫内の上からしかガスが出なくて、魚を焼くときに途中で裏返したりする必要がありました。正直これは面倒くさい。だいたい焼き色見るにしたって、グリルの庫内に入ってるだけで見にくいのに、更にひっくり返すなんてねえ。じゃあ網で焼くよ、と言いたいところですが、網焼きだとどうしても煙が出ます。外でやるなら網焼き最高なんですが、家の中だとなかなかそうはいきません。

 そこで魚焼き器、グリルなんですけどね。問題はお掃除。ただでさえ焦げ付きってお掃除が面倒くさいのに、グリル庫内の掃除の面倒くささと来たらどうしようもない。ある程度、見える部分は拭くとしても、見えない部分は見ないようにする。それしかない。更に、昔のグリルは、焼いている途中で魚から出た油に火が燃え移るのを予防するために、受け皿に水を張らなければならなかった。これは汚れを落としやすくもなる代わりに、どうしても魚の表面がからっと焼き上がらないという欠点がありました。

 要するに、グリルっていろいろと面倒くさい。魚しか焼けないくせに手間がかかる。魚、食わなくてもいいじゃん、ってことになりかねないくらい、どちらかと言えばあまり使わない場所です。

 で。そこに入れるココットプレート。なんでこんなものにコストをかけなきゃならん。滅多に使わないグリルなのに。安くはないんですよ。7,000円くらいする。いや、というか必要なものなら後付けでなく最初から付けとめばいいじゃん、って思いましたよ。ところが、最近、ホームセンターでグリルパンってよく見るようになったんですね。TVショッピングがはしりなのかな。アレって、また騙されてるぞ、ってのと同時に、ひょっとしてすげえんじゃねえの、ってのがありますよね。試してみたいなあ。でもね、TVショッピングのってやっぱり、なんか嘘くさい。ホームセンターで扱ってるグリルパン、これでいいかなって思ったんですがね。

 きょう日、なんも調べずに買うってのはかしこい消費者じゃねえ。やはりそこは検索、検索ぅ。と。あら。なんとうちで使ってるリンナイのコンロ。これ専用品があるじゃないですか。ココットプレート。

 さっき言ったとおり、なんでこんなもんに7,000円ってのはある。けどね。ポイントがね。うん。楽天ポイントがね。期間限定ポイントがね。使わないとね。うん。買おう。よし。

 専用品なので、ガスコンロ台の品番によって適合するものが違います。うちの場合はワイドタイプってのが適合します。ご覧の通り、パンの部分とそれにかぶせる穴あきの蓋。ふむ。これがあるからどうだっての、ってことですね。

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とりあえず使ってみましょうか。ココットプレートを乗せるためのフレームを魚焼き網の代わりにおいて、その上にココットプレートを乗せます。何を焼きましょうかね。とりあえず魚だろう。これで魚がうまく焼けるものかい?ってことです。とりあえずサバ。塩鯖。サバ美味いよね。うん、ぼかぁねは世界中から鰻とマグロがいなくなっても諦めますが、サバがなくなったら嘆き悲しみますね。いや、鰻もマグロもなくなっちゃあかんよ。でもそれくらいサバが好き。だいたいね、サバ偉大。塩サバ美味いし、みりん干しも美味い。刺身もいいけど、しめ鯖にしたらもっと美味い。味噌煮もありだし、寿司にしても美味い。竜田揚げも捨てがたい。ねえ、こんな魚、他にありますかってくらいですよ。サバ偉大。

 で。サバを焼きます。塩サバ美味いんだけどさ。脂がのってると、煙もくもく出るし、グリルの中が脂だらけになるし、後片付けがたいへん。ね。そこでココットプレート。ココットプレートを乗せると、グリルの下火は魚にあたるのではなくて、プレート全体を温めます。上火は、そのまま直に当たると、強すぎて表面を焦がしてしまったりするんですが、蓋がある。ここで直火がほどよくやわらげられつつ、蓋に大きなスリットがあるせいで湿気が籠もらない。

 網焼きのようにひっくり返す必要もないから、身が崩れない。身から出た脂は、底面のでこぼこのおかげで適度に流れ出る。グリル付属のタイマーで、ココットプレートがないときと同じ設定で焼くと、やはり少し焼き色が薄い。けれども、焼き締められないでふっくらと焼き上がります。これはいい。

 ただちょっと問題は、蓋をどうやって外すかってことです。蓋を外す道具が付いて来ないので、オーブン用の手袋や持ち手など自分で工夫する必要があります。ここはちょっと使いづらい点ですな。

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プレートはフッ素樹脂加工してあるので、たわしでちょっとこすれば、脂の焦げ付きもすぐ取れます。全体がラウンドしているので、洗うのは楽です。どこぞのTVショッピングに出てくるフライパンのように、ほら一拭き、とまではいきませんが、そもそもフッ素樹脂加工だってそんなもんでしょう。

 網で魚を焼いた場合は、網を洗い、グリルの受け皿を洗い、冷えてからグリル庫内をふき掃除し、とやるわけですから、それにくらべたらこれはだいぶ楽です。

 ふむ。ついでにじゃあ何か他にも使えませんかね。ってことで、買ってきたお総菜の鶏の唐揚げを温めてみましょう。鶏の唐揚げ、最高です。うん、ぼかぁね世界中から牛肉と羊肉がなくなっても諦めますが(以下略)。というくらい、鶏の唐揚げが好きなようです。自分ちで作る鶏の唐揚げは美味いですが、買ってきたお総菜のジャンクな味もたまらん。が、これね、電子レンジで温めると、衣が油っぽくなって、むしろあまり美味しくない。冷えてた方がまだマシってことがあります。そこで、ココットプレート。

 

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でココットプレートに並べます。そして適当にタイマーをセット。出来上がり。うん、これはいい。あのね、電子レンジと違ってココットプレートだと衣から温め始めるから、余計な油が落ちる。そして衣がバリッとする。中の火の通りは、電子レンジのように中から温めるわけではないから、それなりだけど、火を通しすぎると硬くなるだろうから、これはこれでよし。

 ふむ。周りがぱりっとするのはいいね。よし。と気をよくして、今度は冷凍お好み焼き。冷凍お好み焼きも結構美味いんだけど、電子レンジの宿命でぱりっと感は出ない。そこでココットプレート。これは絶対に美味いはず。

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うん。あのね。冷凍していたものを冷凍してないものと同じ時間で焼いちゃダメ。解凍できるだけになっちゃう。うー。9分だと中がほどよく解けて、冷たい。しかも、もうソースやらマヨネーズ塗っちゃったので焼き直しできない。うん、これは私が悪いね、こんど再挑戦します。火の通りが良い冷凍たこ焼きは、周りがぱりっと中がとろっと、美味しくできました。ソーセージも焼いてみる。これも表面の衣がぱりっと。良いですね。この調子で、鶏肉もそのままやけそうですわね。

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ん? これって。ああこれって、要するにグリルをオーブンとして使うための道具、と考えていいんじゃないかなあ。ガスグリルの方が電気オーブンより熱の立ち上がりが圧倒的に早い。それは知ってる。だからグリルをもっと使いましょう、みたいなお料理記事を読んだことがあります。ところがやってみると、それって逆に火の周りが早くて難しい。グリルって上火と下火があっても、火の回り方が上と下で違います。それを調整するのが意外と大変。

 ところがココットプレートを乗せたグリルを使うと、電気オーブンに比べて、圧倒的に熱の立ち上がりが早く、プレートが熱を均一化するので焼きムラができにくい。熱の上下動も少ない。煙も、グリルだから出ない。わりといいことずくめなんです。

 敢えて問題点を言えば、グリルの庫内に収まるサイズの問題です。プレートの中に入るのは、厚みがせいぜい4cmくらい。それ以上だとココットプレートの蓋が閉まりません。浮いてしまいます。そうなると、やっぱり丸のままの鶏を焼くのは無理です。ケーキを焼くのも無理ですね。

 でも、これ、7,000円の出費で新しいグリルを買ったくらいの革新が起きます。なかなか。感心しました。リンナイの専用品でなくても、似たような商品がいろいろと出ています。構造も難しいものではないので、おそらくそれほど違いはないでしょう。グリルパンとかグリルオーブンとか書いてある製品で、蓋付きのものを選ぶといいと思います。てか。蓋がないとあまり意味がないような気がします。スリットのある蓋付き、これがお勧めであります。お試し下さい。上手く焼けなくても、まあそういうこともあるでしょうな。へへ。

 

 

2017年10月29日 (日)

ご飯つくろうか 義春刃物 ミートソフター イエロー

20160123_185606_20160123_185606_2 えーっとね。ごはん作りましょう。作りますよね。作らない人もいるか。ぼかぁ子供の頃から食い意地が張ってましたんで、けっこうご飯を作るのが好きで。と言っても、所詮男の料理というか、作りたいから作るという趣味の延長みたいなもんでね。概ね、こういう飯を作る男というのはタチが悪い。

 まず材料に凝る。凝るもんだから冷蔵庫に何が残ってるかなんか気にしないで、レシピブックに載っている材料を買ったりするもんだから、ネギが残ってるのにネギ買ってきたりする。で、余らせる。なす買ってきたのはいいけど、1本しか使わないから4本余らせる。あるあるです。

 さらに。美味いものを作ろうという力みがありますから、いい材料を買おうとする。牛丼作るのに前沢牛を買ってきたりとか。いったい一食いくらかかるんだい、ってね。

 一番タチが悪いのが、作り終えた後に、キッチンの流しが汚れてる。使った調理器具が散乱してる。こんだけやって、奥さまに、どやうまいやろ、って言っても、そりゃダメだ。奥さまの不機嫌の理由は、そこにあるんだけどな、ってことになってしまうわけです。

 まあね。そういうことを知ってる人たちは、実はもっとタチが悪くて、こういうことをクリアした上で、さりげなく褒めてもらいたいという、面倒くさい性格でこれはこれで問題があります。テレビで食通とか料理上手で出てくる芸人さんとか、そういう方が多いんではないかと思いますが。まあ、私なんかもその端くれであります。知ってます。はい。

 一番いいのは、こういうことを知識ではなく育ちの中で学んできて、さらっと当たり前にやっちゃう方ですな。まあ、憧れますけど、今更無理なので、次善の策として、買い物に行く前に冷蔵庫の中を確認し、無駄が出ない食材をスーパーで安く買い、後片付けをしっかりし、残った食材も使い切るようにする、と。心がけてはおります。

20170819_183933_p1020200_2 でね。安いお肉を買うことが多い。なんちゃら牛と名前が付くもので、一番買うことが多いのはアンザス牛とかオージービーフとかですよ。いや、これはこれで悪くないんです。つか米沢牛とかの高級A5ランク肉は、食ったことがあります。食うんですけどね。食えねえです。脂が多くて、もたれる。脂、いらんのです。赤身がいい。安いオージービーフでいい。アンザス牛もいい。米国産は成長ホルモンがどうちゃらという問題もあるんですけど、オージービーフは肉の牧草臭がちょっと強くなくねえですか。まあでも、とか悩みながら、スーパーで安い肉を買います。

 っでだ。問題は、この安い赤身のお肉、時々妙に硬かったりします。特に筋なんか入ってるとね。高級肉と違うんで、そういう切り方は雑です。まあ、若い頃はそ れでもかみ切れたんですけど、徐々にねえ。歯も悪くなりましてねえ。かみ切るのが辛いってことも出てくるんですよ。

 で、そういうときのために、肉は調理する前に筋切りをします。筋のある場所に包丁を入れて、筋を切っておくんですね。ところがね。これがけっこう面倒で。ビーフだけでなく、ポークなんかでも、こう肉質を柔らかくするために、事前に串のようなもので何回も刺しておく、とかやるわけです。ちなみに筋切りしておくと、肉を焼くときに反り返ったりしにくくなります。ふむ。

 でも、めんどくさいんですよ。包丁で何度も突き刺すのも面倒だし、串だと筋は切れないし。そこで、一気に筋を切る道具、ミートソフターとかミートテンダライザーとかいう製品があります。ようするに剣山みたいなもので、一気に串刺しにしちゃえ的な道具。

20170819_183957_p1020201_2 今回購入したのは、義春刃物 ミートソフター イエロー、Amazon1200円。これね。なかなか店舗では売ってないです。スーパーでも百貨店でも、ショッピングモールにある調理器具関係のショップでも。なかなか見ない。ネットで検索かけて買うのが一番楽です。そんなにメジャーな調理器具じゃないってことですね。

 ミートソフターに限らないんですけど、専用の調理器具って、あったら確かに便利なんだけど、調理器具に埋もれてしまって整理が付かない、とか、その調理器具を使った料理をしなくなって、調理器具が眠ったままになるとか、あるあるです。まあだからなんだ、言うときますけど、ミートソフターを買った方がいいかどうかは、よく考えましょう。

20170819_184041_p1020204_2 でね。このミートソフター。剣山みたいなものと何が違うかってと。まず刃です。串のような形でなく、彫刻刀のような刃の形になってます。つまり串を突き刺すのではなく、彫刻刀をいっぺんに何本も突き刺して、切っていく、という感じ。まさに筋切りってことですか。やり過ぎると、肉がちぎれていくような感覚がありますので、やり過ぎないようにしましょう。

 細かくやると柔らかくはなるんですが、内部から肉汁が出てしまいやすくなります。つまり旨みが抜ける、と。肉汁ってなんなんですかね。ハンバーグなんかから出る肉汁ってのは、肉の脂がとけたもの、それと肉の細胞自体が溜めている水分。そんなところですか。旨みたっぷりの肉汁、なんて喜んでると、実はそのほとんどが脂だったりすることもあるので、肉汁には要注意ですよ。小籠包的なものを作るときに、ラードを刻んだものを混ぜたりしてですね。

 ま、ともかく。ミートソフター。一番簡単なつくりにすると、土台に刃を埋め込むだけというものですが、これだと収納にも困る危険なむき出しの刃物になってしまいます。そこで、この製品は両端にガイドを付けて、そこで刃を出し入れする構造になってます。うまく説明できんのですが。刃を保護する部分、ここを肉に押しつけると中から刃が飛び出す、と。ちょいと横に置いたときも刃がむき出しにならない安全構造。なるほど。

 ただ構造が複雑になると、使い終わった後の片付けが面倒です。刃やパーツに付いた肉汁、というか血や脂ですね。そういったものをきれいに、簡単に清掃できないと、あっという間に細菌が繁殖するのは目に見えてます。実際、単なる剣山を肉に突き刺すと、どうやったって剣山の中を掃除しきれないことは明らかですな。そこで、この製品は分解することができます。分解した後は、食洗機でも洗えますし、たわしのようなもので洗うこともできます。これなら、清潔を維持するのは簡単ですな。

20170819_190321_p1020206_2 で。肉を切る。というか筋切りをする。肉に押し当て、ざくざくと。切れ味がいいので、ざくざくという感覚はあまりないです。それよりは押しつけるときの抵抗、肉の抵抗ではなくて、ガイド部分を支えるバネの圧ですな。それを感じます。しかしよく切れてます。が。ちょっと気になるのは、かなりしっかり押しつけなければいけないので、肉を押しつぶすようなところがあるんです。

 私はけっこう厚切りステーキの類いが好きなので、分厚い肉を買うことが多いんですが、せっかくの分厚い肉が、少し薄く広がってしまいます。まあしょうがないので、それは筋切りが終わった後で、肉を周りから寄せ集めるようにして、整形します。

20170819_193121_p1020207_2 ふむ。焼きましょう。塩胡椒をして。ああ、ステーキとかトンテキとか、チキンもですけど、美味しく焼くポイントの一つは、「調理の前に肉を常温に戻す」ってのがあります。冷えた素材をそのまま火にかけると温度のムラができやすいんです。あ、卵焼きもそうだわ。調理の30分くらい前に冷蔵庫から出しておくのがよろしいかと。出し忘れたら。うんもうそれはそれでしょうがないわ。そんなん気にしてたら晩ご飯に間に合いません。

 ミートソフター、そんなに高くないし、お手入れも簡単だし、よく切れるし、いい。いいんだけど、実は買ってから1ヶ月以上たつのに使ったのは3度ほど。そんなに出番があるわけではない、ってことです。わかってたけどね。

2017年8月28日 (月)

広島からしまなみ海道を渡って四国を巡る⑦ 桃源郷祖谷の山里は日本の田舎をいろいろと考えさせられる

えーーと。まず大切なことを。前回、「次は香川だー!」って勢い込んで語りましたが、すみません。祖谷の山里は香川でなく徳島でした、ざろっくさんよりご指摘いただきました。申し訳ねえっす。頭の中の存在感が、讃岐うどんの方が古民家より大きかったんです。が。行ってみると意外と古民家も考えされられました。

20170811_144622_p1020115 20170811_144712_p1020117 ということで。田舎集落大歩危から更に20km、道は広くなったり狭くなったり。概ね狭くなっていきます。祖谷の山里はホテルのコテージとは違い、村の中の再生された古民家ですから、家と家の間が離れていますし、コテージのような立派な管理棟があるわけでもありません。宿泊の受付などをする管理棟は、廃校になった小学校です。


20170812_064402_p1020166 ここで受付を済ませると、スタッフが車で部屋まで先導します。と言っても、宿の中の移動を想像しちゃいけません。村の小学校からどっかのお家まで行く、ということですから、そこそこの距離はあります。それもかなりの急坂を上って行くんですが、これがところによっては片側崖、片側溝、しかも車一台が通れるギリギリの幅で。雪のある冬場はとてもじゃないですが、上りたくないです。そういうときはタクシー推奨だそうで。そりゃあそうだわと納得ですな。ちなみに、ここまで商店らしい佇まいを一切目にしておりません。あ、自販機が一台あったかな。急坂の手前。歩いたら20分くらいかかりそうな場所です。

20170811_151710_p1020126 急坂を上った先に、民家が何軒か、その中に茅葺きの民家が2軒あります。そのうちの1軒が今回宿泊する「雲外」というお家。元が民家なので、家の間取りはそれぞれ違います。雲外は4人まで宿泊できますが、中には8人も泊まれるお家もあるようで。雲外のお値段は食事無しで約3万円。うちの場合一人当たり15000円ですが、4人いれば8000円を少し切りますな。

雲外」は家が石垣の上に建っていて、その下の道路に車を停めます。ということは階段を上って家に入るわけです。15段かそこら、たいした階段ではありません。なんですけどね。ここまでの坂道、そしてこの階段。お年を召されたら暮らしづらいわなあ、と思います。このあと、荷物を宿にあげるのに何度か行き来をしましたが、やっぱりその程度でも面倒ですもん。そりゃあ、歳を取ったらもう少し便利なところに住みたいですわねえ。

 実は、と言うほどのことではありませんがね。私が生まれて幼少期を過ごしたところがまさにこんな山の中で。もう20年以上帰ってないので、そもそも今も集落があるかどうかさえ疑わしい。20年前に行ったときですら、お年寄りが数名残っているだけのような有様で。子供たちは近くのもう少し便利な村で仕事を見つけられた人はそこで、ほとんどは東京や大阪などに出て行ってしまった、と。

 そうなんですよね。昔、ここに住んでいたときは、母親が歯医者に行くにも三日がかりだった、と話してました。それも1日歩いて村まで出てバスで、そして列車に乗って医者のいる町まででかけなきゃならない。少しぐらい歯が痛くても、正露丸を咬んで我慢した、と話していましたからね。そんなことを思い出しました。

20170811_151848_p1020128 20170811_151902_p1020129 さて、15段の石段を上ると、雲外です。屋根は茅葺き、家の外壁は竹を割ったもので覆っています。これはちょっと違和感があります。昔の家はこんなことはしなかったですもんね。竹の外壁をのぞくと、下地は土壁になっています。これがもともとの外壁でしょうが、補修も維持も大変なんでしょう。それで竹を割って外壁に化粧したんですな。日本の古民家本来の姿を期待すると、ちょっと違和感がありますけど、維持を考えるとやむを得ないところです。かやぶき屋根の維持にもコストがかかりますし。

 入り口はナンバーキーで管理しています。カードやキーを預かるわけでないので、チェックアウトの時に管理棟に寄って鍵を返す手間がかかりません。ただ、ナンバーを忘れると入れなくなります。そりゃあ大変。と思いますけどね。実際こんな山の中、いちいち鍵をかける必要なんてありません。人がいないんですから。これは祖谷の山里に限りませんけどね、外部の人間がうろうろしてたら目立ってしょうがないのが田舎の集落です。町からの距離自体が防犯システムになっている、と言えるでしょう。

20170811_151939_p1020131 20170811_151943_p1020132 20170811_151913_p1020130 お家に入ります。外は古民家ですが、中は完全にリニューアルされてます。残っているのは柱と間取りくらいのもんじゃないですかね。昔土間だったり台所だったりしたところは、きれいで機能的なキッチンになってます。冷蔵庫、電子レンジ、IHレンジ、炊飯器に食器や調理器具が一揃い、それもとりあえず揃えた、ではなくてセンスのいいものがきちんと揃ってます。これはなんか使いたくなるなあ。けど、今回は食材はもっていません。ざんねん。

20170811_152926_p1020146 20170811_151951_p1020133 広いキッチンのすぐ横がリビングになります。リビングの中心には囲炉裏がありますが、今回は使いません。いやそもそも使えるのかどうか知りません。すまんです。部屋の南側は大きく開いて、谷を見下ろすようになっています。気持ちの良さそうな椅子も用意されていて、さあどうぞこちらでビールでもお飲みなさいと言われているような気がします。うん、だから仕方ないの。ビールはね。あ、でもあとでね。

20170811_152034_p1020135 20170811_152101_p1020137 20170811_152043_p1020136 リビングの反対側、キッチンを挟んで、小さな階段があり渡り廊下があります。ひょっとしたら昔はつながっていなかった離れになるのかもしれません。で。奥にまず広めのシャワーブース。そして更にお風呂。脱衣所の手前の戸棚の中には、洗濯乾燥機もあります。ひゃっほい、溜まった洗濯物、洗って帰ろうっと。あ、当然のことながら、室内は冷暖房完備。トイレもウォシュレットです。

20170811_152127_p1020140 ウォシュレット...。こういう山の中で水洗トイレって、どうやって実現してるんでしょう。まあそれを言えばお風呂やWiFiなんかもそうなんですけどね。そもそも下水道が来ているようなところではない。ごらんのとおり山の斜面のかなり上の方に建っている家です。水洗トイレがもともとついているような環境なら、ああ私だって住みたいですよ。

 検索してみました。ふむふむなるほど。浄化槽か...。あ、いかんいかん。調べ始めたらはまってしまった。ぜひ一度ご検索いただきたい。文明最高っ。

 まあ要するに、快適を実現するためには高いコストがかかるんだなあってことです。田舎暮らしはいいよねえ、こんな素敵なおうちがあれば田舎暮らしでも全然いいじゃん。って。まあつまり地獄の沙汰も金次第ってことね。逆を言えば、やっぱり歳をとって田舎で暮らすってのは、かなり大変なことです。

20170811_175608_p1020154 20170811_162949_p1020153 夜が更けてきましてね。晩御飯はあらかじめ頼んであったケータリングです。ケータリングと言ってもピザやチキンが届くわけではない。そもそもそんなお店は存在しません。ちかくにそば道場なるそば打ち体験ができる蕎麦屋さんがあって、そちらで作った昔からの郷土料理をいただきます。ちなみにお値段お一人様3200円。肉はねえです。お若い方は、やっぱりちょっとした食材を買ってきたほうがいいかもしれませんが、おじちゃんとおばちゃんにはこちらの方がいい。地元で売ってるすだち酎なるお酒と一緒にいただきます。

20170811_192941_p1020162 あ。テレビもありますよ。リビングの棚の中に隠れています。けど、せっかく静かな山の中に来たんですから、テレビは付けずに、だらだらと過ごすのがお勧めです。この日は少し雲がありましたが、それでもよく星が見えました、山の中、ぽつんぽつんと小さな明かりがついています。静かな山の中です。いいなあ。いつか田舎に戻ってきたいなあ。

 でも、やっぱりもう水洗トイレ&ウォシュレットのない生活は無理だなあ。こうして時々山の宿を訪れて、しっかりそこでお金を使う。3200円の夕食は高いですが、それが山で暮らす人々の生活を支える、経済を回すことになる。たぶんキャンプと同じで、こういうかかわり方をさせてもらうのが、いいんだろうなあ。

20170811_192920_p1020161 あ、晩御飯、あっさりはしてますけど、量はたっぷりあります。朝ご飯に残しておいて食べることができるくらいですな。朝ご飯をお買い求めになる場合、食材を買い足す場合はお気を付けください。

 夜も更けていきます。腹もいっぱいです。明日はいよいよ帰る日です。

 ということで駆け足。帰りは香川の高松空港から。というか香川うどん県に行かずしてなんの四国、みたいな思いはありますよね。実際、讃岐うどん、はまっていた時期もありました。最終日は朝からうどんを食いまくるぞ、と。

 えっとね。結論を先に言う。うどん旨いけど、もう若くないからそんなに際限なく食えるもんじゃない。さらに言えば、たぶんどこもそれなりに旨い。少しずつ方向性の違いはあるだろうけど。でも2杯食って、しかし更に3杯目を午前中に食う胃袋は残ってない。旨いんですよ。旨いんですけどね。

 ということで1店目。讃岐うどん第1位山越うどん、朝9時半に訪問。9時半だからね。なんとか入れるかしら。とんでもねえです。9時半の段階で1時間半以上待ちの行列。駐車場整理のおじさんが、「ここ美味しいですか」って聞かれて「美味しいですよ、とても。でも暑いから無理しないでくださいね」と言ってるのを聞いて、こう理解しました。「旨いのは旨い。けど暑さの中1時間半待って食べなくても、ほかのうどん屋も美味しいんですよ」と。

20170812_101302_p1020180_2 20170812_101630_p1020183 20170812_101336_p1020181 はい、山越うどん終了です。というわけで。はい。テーマは並ばなくてもちゃんとおいしい讃岐のうどん。それで改めての1軒目、中西うどん。おいしい。ほうほうアナゴ天ぷらがお安いです。

20170812_104505_p1020185 20170812_104739_p1020189 20170812_104715_p1020186 はい次。宮武うどん。麺がちょっとざらっとして手打ち感がある。武蔵野うどんに通じるものがありますね。が、そこは讃岐。澄んだお出汁が美しく美味しい。よし、次行くぞ。次。。あ、いやもう無理。3軒くらいは行けるかと思ったんですが、ちょっと無理。

 てかあのね。やっぱりね。讃岐うどんの経験値が低すぎて、その店その店の特徴を際立たせることができません。出汁の違いとか。色が薄くて甘めのいりこ出汁って共通点がばんって前に出てきて、細やかな違いが見えません。あえて言えば、中西うどんは讃岐うどんらしさがわかりやすく、山越うどんは素朴さが源流を感じさせる、ってのかな。そのくらい。でも中西うどんは「ひやひや」で食ってますし、山越うどんは「あつあつ」で食ってますから、そもそもベースが違う。そういう意味でも比較はできんのです。

 あ。でもね。やっぱりひとつ不満なのは、天ぷらが安いのはいいんだけど冷えてるのは、やっぱり残念。実はそこが東京ではなまるうどんがウケずに丸亀製麺がウケ続けている理由じゃないかと思うんですね。ただこれも文化の違いってあるのかもしれませんな。

20170812_151005_p1020192 最後、高松空港で最後の讃岐うどんを食おうかと思いましたが、やっぱり無理でした。代わりに高松空港にある出汁の出る蛇口から注いだ出汁を一杯いただきました。これで呉からしまなみ海道を渡り四国を回った旅は終わりであります。

 やっぱりね。日本ってすごいなあと思います。ちょっと離れただけでこれだけ風景が変わり、そして食べ物が変わる。海外の旅も異文化を味わうって意味では面白いですが、文化の差が大きすぎて気が付かないで見過ごしてるものもいっぱいあるのでしょうな。狭く深く分け入っていく日本の旅、面白いものであります。

 長くなりました。今度はたぶん自転車の話です。たぶんです。

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